不同意性交等罪での逮捕・起訴・実刑を防ぐためのポイントを元検事の弁護士が解説

不同意性交等罪は、逮捕される可能性も高く、有罪になれば原則的には執行猶予にならず実刑(刑務所行き)となる、重大な犯罪です。

他方で、実際には同意があった、あるいは同意があると認識していたなどで、犯罪が成立しないはずであるのに、刑事事件として立件されてしまうなどのケースも数多く見受けられる犯罪類型でもあります。

この記事では、元検事(ヤメ検)の弁護士が、不同意性交等罪とは何か不同意性交等罪を犯してしまったらどうなるのか逮捕・起訴・実刑を防ぐためにどうすべきかなどを解説します。

不同意性交等罪とは

(1)不同意(同意のない)性交等に対する犯罪

1 「不同意」とは

不同意性交等罪は、「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて」(=「不同意」で)、性交等を行うことを処罰する罪です。

つまり、

  1. 同意しない意思を「形成」することが困難な状態
  2. 同意しない意思を「表明」することが困難な状態
  3. 同意しない意思を「全う」することが困難な状態

の3つのいずれかに、「させ」ること、または「その状態に乗じ」ることが要件とされています。

「①同意しない意思を「形成」することが困難な状態」とは、性交等をするかどうかを考えたり、決めたりするきっかけや能力が不足したりしていて、性交等をしない、したくないという意思を持つこと自体が難しい状態をいいます。例えば、薬物やアルコールの影響下にある場合や寝ている場合などはこの状態に当たりうるでしょう。

「②同意しない意思を「表明」することが困難な状態」とは、性交等をしない、したくないという意思を持つことはできたものの、それを外部に表すことが難しい状態をいいます。恐怖心や相手との力関係から嫌だと言い出せないといった状態がこれに当たりうるでしょう。

「③同意しない意思を「全う」することが困難な状態」とは、性交等をしない、したくないという意思を外部に表すことはできたものの、その意思のとおりになることが難しい状態をいいます。薬物等の影響で身体を十分に動かせないような場合や、力づくで無理やり、といった場合などがこれに当たりうると思われます。

これらの状態に「させ」ることはもちろん、これらの「状態に乗じ」ることも要件を満たし得るので、被害者側が自発的に飲酒して酩酊した場合なども、その状態に乗じれば不同意性交等が成立することがあります。

他方、同意があったという場合はもちろん、同意があると誤信していたという場合にも、行為を欠くため不同意性交等罪は成立しません。

実務上、同意の有無やその誤信は重要な争点となることが少なくありません。

※同意があったはずなのに不同意だったと主張されているといった場合については【冤罪】同意があったのに不同意性交だと言われている場合の対処法を元検事の弁護士が解説の記事もご参照ください。

なお、同意については当該行為について必要と解され、一定の性的な行為については同意があったとしても、性交等については同意がなかったといった場合に不同意性交等となる可能性があります

このため、性風俗店やマッサージ店を利用していたという場合にも不同意性交等として事件化することもあるのです。

 

※風俗店におけるトラブルについては風俗店での「本番行為」は犯罪?成立しうる犯罪や対処法を元検事の弁護士が解説の記事もご参照ください。

2 8類型の例示

被害者がそのような状態にあったかどうかの判断を行いやすくするため、刑法は、その原因となり得る行為や事由として、以下の8つの類型を例示しています。
   暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
   心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
   アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
   睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
   同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
   予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、
若しくは驚愕していること。
   虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
   経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂
慮していること。

「一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと」につき、「暴行」とは、人の身体に向けられた不法な有形力の行使をいい、「脅迫」とは、他人を怖がらせるような害悪の告知をいいます。

いわゆる「強姦」や「強制性交」といった過去の罪名から一般的にイメージされるのはこういった類型ではないかと思われますが、改正によってより明らかにされたとおり、犯罪となるのはこのような暴行脅迫等がある場合に限られません。


「二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること」につき、「心身の障害」とは、身体障害、知的障害、発達障害及び精神障害であり、一時的なものを含みます。

 知的障害等につけこむような場合がこれに当たり、どの程度から「心身の障害」とされるかについては明確な基準があるとは言い難く、注意が必要です。


「三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること」につき、「アルコール若しくは薬物」の「摂取」とは、飲酒や、薬物の投与・服用のことをいいます。

昨今、最も多くご相談やご依頼をいただいているのがこのパターンかもしれません。食事をして飲酒した上で関係を持った場合などにこの類型で問題となってしまう場合がしばしば見受けられます。特に、マッチングアプリやSNS等で出会い、そのまま関係を持ってしまったような場合にトラブルになるパターンが顕著です。

※SNSやマッチングアプリからのトラブルについてはSNSで知り合った相手と性的関係を持ってトラブルになった際の対処方法について、元検察官の弁護士集団が解説しますの記事もご参照ください。


「四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること」につき、「睡眠」とは、眠っていて意識が失われている状態をいい、「その他の意識が明瞭でない状態」とは、例えば気絶したり意識がもうろうとしているような、睡眠以外の原因で意識がはっきりしない状態をいいます。


「五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと」とは、性交等がされようとしていることに気付いてから、性交等がなされるまでの間に、意思決定をするための時間のゆとりがないことをいいます。

風俗店等で一定の同意のある中で性的な行為をしつつ、同意のない性交等を突然行うといったパターンはこれに当たるかと思われます。


「六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること」とは、いわゆるフリーズの状態、つまり、予想外の事態や予想を超える事態に直面したことから、自分の身に危害が加わると考え、極度に不安になったり、強く動揺して平静を失った状態をいいます。


「七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること」につき、「虐待に起因する心理的反応」とは、虐待を受けたことによる、それを通常の出来事として受け入れたり抵抗しても無駄だと考える心理状態や、虐待を目の当たりにしたことによる、恐怖心を抱いている状態などをいいます。


「八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること」につき、「経済的関係」とは、金銭その他の財産に関する関係を広く含み、「社会的関係」とは、家庭・会社・学校といった社会生活における関係を広く含みます。また、「不利益を憂慮」とは、自らやその親族等に不利益が及ぶことを不安に思うことをいいます。

この類型もしばしばご相談等を受けることがあるパターンです。部下や後輩と関係を持ってしまい、上下関係があったがゆえに断れなかったが不同意であったなどとして問題になることがあります。

3 人違いや誤信

刑法は、“行為がわいせつなものでないとの誤信”“人違い”をさせ又はその状態に乗じて性交等をした場合にも、同様に「不同意」であると定めています。

被害者が疾患を抱えているなどで状況を正しく認識できていない場合や、暗闇で、配偶者や交際相手であると誤信させて性交等を行う場合なども不同意性交等が成立する可能性があります。

昨今では、いわゆる「独身偽装」をして性交等をした場合も処罰対象とすべきだとの議論もありますが、現時点では、少なくとも法務省はこのような場合は不同意性交等には当たらないという見解であるようです。

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(2)年齢によっては同意があっても不同意性交になる

同意がある性交等であっても、相手が13歳未満である場合、不同意性交等罪になります

また、性交の相手が13歳以上16歳未満である場合、行為者と16歳未満の人との年齢差が問題になります。

性交等の相手(13歳以上16歳未満の人)が生まれた日より5年以上前の日に生まれた人(5歳以上年上の人)が行為者であった場合には同意があっても不同意性交等罪になります。

例えば、15歳の人と性交をした人が17歳であれば、同意があれば不同意性交等罪になりませんが、21歳であれば、例え15歳の人が真に同意していたとしても、不同意性交等罪が成立します。

なお、この類型の不同意性交等罪が成立するには、相手方の年齢についても認識している必要があり、性交の相手が16歳以上だと誤信していたといった場合には不同意性交等罪は成立しません。

※相手が18歳未満の場合、いわゆる淫行条例等が問題となることもあります。

(3)「性交等」の意義

「性交等」とは、

  • 男性の陰茎を女性の膣内に挿入する「膣性交」
  • 男性の陰茎を肛門(男女を問わない)に挿入する「肛門性交」
  • 男性の陰茎を口腔内(男女を問わない)に挿入する「口腔性交」
  • 男女を問わず、陰茎以外の身体の一部(例えば指など)を、膣又は肛門(男女を問わない)に挿入するわいせつな行為
  • 男女を問わず、何らかの物を、被害者(男女を問わない)の膣又は肛門に挿入するわいせつな行為

の全てを指すものとされています。

したがって、男性器を女性器に挿入するいわゆる「性交」のみならず、指等の身体の一部や何らかの物を女性器や肛門に挿入した場合なども、「性交等」として(不同意わいせつ罪ではなく)不同意性交等罪により処罰されることになります。

(4)法定刑は5年以上の拘禁刑/時効は15年

刑法177条において、不同意性交等罪の法定刑は「5年以上の有期拘禁刑」と定められています。

有罪となった場合、執行猶予が付されるのは3年以下の場合ですから、何らかの減軽がなされない限り、不同意性交等罪は原則実刑となり、刑務所に服役することとなる重大な犯罪です。

また、公訴時効についても長く、15年となっています。

※刑法の改正により、懲役・禁錮は拘禁刑に一本化されました。

(5)親告罪ではない

かつての強姦罪等は親告罪であり、被害者などの告訴権者による告訴がない限り処罰されることはありませんでした。

しかし、法改正により性犯罪の非親告罪化が行われ、不同意性交等罪についても告訴がなくとも処罰されえます。

ただ、通常は被害者の意向に反してまで起訴されるといったことは少ないものと考えられます。

(6)不同意性交等致傷、不同意わいせつとの関係

不同意性交等罪やその未遂罪を犯し、性交等自体や手段である暴行等によって被害者がけがを負った場合には、不同意性交等致傷罪が成立する可能性があります。

不同意性交等致傷罪の法定刑は無期又は6年以上の拘禁刑であり、原則として長期間の実刑となるさらに重大な犯罪です。

※不同意性交等致傷については不同意性交等致傷とは?元検事の弁護士が成立要件や弁護活動について解説の記事もご参照ください。

同意なく、性交等には至らないわいせつな行為を行った場合には、不同意わいせつ(傷害を負わせた場合には不同意わいせつ致傷)が成立する可能性があります。

不同意わいせつの法定刑は6月以上10年以下の拘禁刑、同致傷の場合は無期又は3年以上の拘禁刑であり、やはり実刑の可能性も大きい類型です。

※不同意わいせつについては不同意わいせつ罪で逮捕されたら?元検事の弁護士が刑罰や刑事事件の対応を解説の記事もご参照ください。

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不同意性交等罪を犯したら逮捕される?

不同意性交等罪で立件された場合、逮捕される可能性はかなり大きいものと考えられます。

逮捕されるか否かは、罪証隠滅(証拠隠滅)のおそれ、逃亡のおそれなどから判断されますが、一般的には、重大な犯罪であって有罪となった場合の刑が重いものと想定されるほど、その不利益を免れようと証拠隠滅や逃亡を図るおそれが高いと判断されます。

※逮捕については逮捕されたくないの記事もご参照ください。

不同意性交等罪の法定刑は5年以上の拘禁刑であり、原則は実刑と想定されるところ、罪証隠滅や逃亡のおそれが大きいと判断されがちです。

また、不同意性交等罪においては、被害者の供述が極めて重要な証拠となることが多いところ、特に知人間の事件などは、被疑者が被害者に働きかける、脅すなどするといった態様での罪証隠滅行為が懸念されるケースもあり、やはり逮捕に繋がる可能性は大きいと言えます。

他方、そもそも嫌疑の程度が高くない場合や、被疑者の身元がしっかりしている場合などは逮捕されないケースもあり、必ず逮捕されると決まっているわけでもありません。

不同意性交等で逮捕された後の流れとデメリット

まず、逮捕は基本的に突然行われます

ある朝自宅に警察が来たり、あるいは自宅を出たところで声をかけられるなどするケースがしばしば見受けられます。

逮捕後は48時間以内に警察から検察に送致され、弁解録取等の上、送致から24時間以内に勾留請求されるかどうかが検察で判断されます

勾留請求された場合、裁判官による勾留質問を経て、勾留されることとなれば、まずは10日間、勾留が続きます。

勾留の延長がなされた場合にはさらに10日間の延長がありえ、逮捕から20日以上の身柄拘束が続くことも珍しくありません。

さらに、勾留された状態で起訴された場合、被告人としての勾留が継続し、保釈請求されない限り、裁判も身柄拘束された状態で受けていくこととなりますし、実刑となればそのまま刑務所に服役することとなりえます。

※逮捕から起訴までの流れについては逮捕から起訴までの流れと期間を元検事の弁護士が図でわかりやすく解説の記事をご参照ください。

※身柄拘束からの釈放、保釈等については釈放、保釈について元検事の弁護士が解説の記事をご参照ください。

逮捕された場合、そのまま自宅の捜索差押え(いわゆる家宅捜索、ガサ入れ)が行われるなどし、家族などに事件のことが発覚してしまう可能性があるほか、事件の内容や社会的立場によっては実名で報道されるなどのリスクも否定できません。

また、そうでなくとも、拘束が続けば、家族や周囲はもちろん勤務先や学校にも事件のことが発覚する可能性もありますし、長期間の身柄拘束自体、想像以上に心神の負担となります。

これらのデメリットの回避のためには、刑事手続に精通した弁護士の的確な弁護活動を受け逮捕の回避や、早期の解放等を目指すべきでしょう。

不同意性交等での逮捕を避けるためには?

早期の示談と被害申告の回避・取下げ

逮捕回避の最も効果的な手段は、早期の示談等により、被害申告自体の回避や取下げを得ることでしょう。

そもそも被害申告されなければ逮捕以前に刑事事件として立件されることもありませんし、取下げがなされた場合にあえて身柄を拘束するといった捜査は想定しがたいところです。

※示談については刑事事件で示談する方法を元検事の弁護士が解説の記事もご参照ください。

現に不同意性交等罪が成立する状況がある場合はもちろんですが、同意があったはずである同意があると誤信していたという場合であっても、早期解決のためには示談は有効な選択肢となりえますし、同意の誤信があった、真の同意はなかったかもしれないという状況であれば、倫理的にも被害弁償等をすべきとも考えられます。

特に、相手方から謝罪や賠償等を(時には暗に)求められているようなケースでは、相手方も示談も想定していることがうかがわれるところでもあります。

他方、当事者同士で交渉した結果決裂したり、示談に含まれるべき合意がなされないままとなるといったおそれもあるほか、不同意性交等の成立を認める内容で示談するか否かなどにも留意が必要です。

※同意の有無等に問題がある場合の示談等については【冤罪】同意があったのに不同意性交だと言われている場合の対処法を元検事の弁護士が解説の記事もご参照ください。

自首・自主的な出頭等

不同意性交等に該当する事実関係はあるという場合、自首等を行うことも選択肢のひとつになります。

自首とは、捜査機関が事件の存在や犯人が誰であるかを把握していない段階で、犯人自らが、自分の犯した罪を警察に申し出ることをいい、刑の減軽の対象となりえます。

また、自首を行うことで、逃亡や罪証隠滅の意図がないことを明らかにする効果もあり、逮捕の回避という観点からもメリットがあります。

なお、すでに事件や犯人が捜査機関に発覚していた場合には法律上の「自首」には該当しませんが、自主的な出頭を行うことで、逃亡や罪証隠滅の意図がないことは示せますし、起訴不起訴の判断や判決の量刑の場面でも有利な情状となりえます。

※自首については自首したいの記事もご参照ください。なお、当事務所では自首サポートも行っております。

否認を前提とする捜査機関への申入れ等

実際には同意があったケースなど、不同意性交等罪の成立を争う(否認する)前提の場合にも、捜査機関へ積極的に申入れや上申書の提出を行うという手段もありえます。

不同意性交等罪の場合、多くのケースは密室でのことであり、初期段階では被害者(とされている側)の供述を前提に捜査等が進行することとならざるを得ません。

被疑者側の主張も踏まえた更なる捜査や検討等で不起訴となる場合もありますが、逮捕されるまでは主張をする機会すらないことがほとんどです。

そこで、もし被害申告がなされたと明らかな場合やその可能性が極めて高い場合には、捜査機関からのコンタクト等に先んじて経緯を説明する上申書や関連する証拠(同意があったことをうかがわせるやりとりなど)を提出し、不用意な逮捕に至らないように申入れを行うといった手段が有効な場合もあります。

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起訴を回避する(不起訴を獲得する)ためには?

有罪率99%を超える日本の刑事裁判で無罪の獲得を目指すことは容易ではありませんし、執行猶予を目指す場合にも、何かしらの減軽を獲得しなければならない、公開の法廷で審理を受けなくてはならないなど、その負担やハードルは大きいと言わざるを得ません。

まずは、起訴されて裁判を受けることとなる前に、起訴を回避する(不起訴処分を獲得する)ことを目指すべきでしょう。

不起訴には様々な種類がありますが、そのうちの主たる2パターンについて、以下で解説します。

起訴猶予を目指す場合

被疑事実を争わないケースでは、斟酌されるべき被疑者にとって有利な情状を揃え、起訴猶予を目指すことになります。

とはいえ、不同意性交等罪といった重大な犯罪について起訴猶予処分を獲得するためには、示談はもちろん、被害者側の宥恕(許すという意思)や処罰を求めない旨の意思表示等が必要となってきます。

※示談については刑事事件で示談する方法を元検事の弁護士が解説の記事もご参照ください。

なお、示談については、同意があるという認識であったという前提で行うというケースもありえます。詳しくは【冤罪】同意があったのに不同意性交だと言われている場合の対処法を元検事の弁護士が解説の記事をご参照ください。

通常、被害者側は被疑者本人とは連絡を取りたがりませんし、連絡先等も知らないという場合には、弁護人から捜査機関を通じ、弁護人限りで連絡先の開示を打診するという手法が通常です。

また、示談の内容としても、起訴猶予に繋がるだけの条項となっていること、その内容について被害者側が理解した上、納得してもらえていることなども重要です。

※起訴猶予の獲得については起訴猶予とは?元検事の弁護士が不起訴との違いや起訴猶予獲得のポイントを解説の記事もご参照ください。

嫌疑不十分(又は嫌疑なし)を目指す場合

性交等自体がなかった、あるいは同意があったという場合には不同意性交等罪は成立しませんし、同意があると信じていた、あるいは相手の年齢について適法な年齢であると誤信していたといった場合にも不同意性交等罪は成立しません。

不同意性交等罪については、被害者(とされている人物)の供述と被疑者の供述のいずれが信用できるかという点が問題となることが多く、取調べにどう対応していくのかどのような主張をしていくべきかが非常に重要です

また、同意があったことをうかがわせるやりとりなどを捜査機関に提出するとともにそれに基づいた主張をすることが必要ですし、飲酒の上での事件などであれば、防犯カメラの記録等が重要になりえ、早期に証拠の保全・収集を求めるべきケースもあります

いずれにせよ、当該事案の内容と証拠関係(手元にあるもののみならず、存在するであろう証拠まで想定する必要があります。)を踏まえ、効果的な主張を検討するとともに、それを捜査機関に理解されるよう的確に主張すべきであり、刑事事件はもちろん、捜査機関の考え方などにも精通した弁護士のサポートを受けるのが望ましいでしょう。

※嫌疑不十分の獲得については嫌疑不十分とは?不起訴となるためのポイントや処分までの流れについて元検事の弁護士が解説の記事もご参照ください。

実刑を避ける(執行猶予・無罪を獲得する)ためには?

執行猶予の獲得

不同意性交等罪で有罪となれば、原則は実刑となります。

不同意性交等罪の法定刑は5年以上の拘禁刑であり、他方で執行猶予となるのは判決が3年以下(再度の執行猶予については2年以下)の拘禁刑の場合のみです。

すなわち、原則どおり、刑法に定められている法定刑の範囲の判決であれば、必ず実刑(実際に刑務所に服役する)こととなってしまうのです。

これを回避するためには、刑の「減軽」が行われ、法定刑未満(5年未満)の判決とならなければなりません。

法律上、さまざまな減軽がありますが、不同意性交等罪を犯した場合に視野に入れるべき主な減軽事由は、「自首減軽」「裁量減軽」の2つでしょう。

※未遂に終わった、被疑者に精神的な疾患があったというような例外的なケースでは、未遂や心神耗弱での減軽の可能性もあります。

自首減軽(刑法44条1項)

自首は、原則、犯行自体もしくは犯人が誰なのかが知られる前に捜査機関に自己の犯罪を申告することで成立します。

法律上の自首が成立する場合、「その刑を減軽することができる」とされており、裁判官の判断で減軽の対象となりえます。

既に事件や犯人を捜査機関が特定していた場合、法律上の「自首」は成立しないため、刑事事件化が想定される場合には、早期の自首を検討する必要があります。また、自首により、逮捕回避の可能性が高まるというメリットもあります。

※自首については自首したいの記事もご参照ください。なお、当事務所では自首サポートも行っております。

なお、法律上の「自首」には該当しない場合でも、自主的に出頭することにはメリットがありえます。

罪証隠滅や逃亡の意図がないことのアピールになり逮捕回避の可能性が高まるほか、反省等を示す有利な情状となり、後述の酌量減軽にも影響がありえます

酌量減軽(刑法66条)

酌量減軽は、「犯罪に情状に酌量すべきものがあるとき」になされます。

事件の内容やその後の対応、被告人に関する事情等について、被告人にとって有利に斟酌すべき点があるかという観点から、裁判官が裁量で判断するものです。

酌量すべき事情は個別の事案に応じて多様ですが、有罪を前提とするケースでは、全ての事案で示談交渉と再犯防止のための対策を行うべきでしょう。

被害弁償をして示談し、被害者に宥恕して(許して)もらえれば、大きな有利な情状になります

具体的には、誠実に示談交渉を行った上、きちんと被害者に理解してもらった上で(そうでないと、示談書の内容が被害者の意向を正確に反映しているかなどが裁判で争いになる可能性もあります。)、示談内容に含めるべき内容をきちんと記載することが必要です。

※示談については刑事事件で示談する方法を元検事の弁護士が解説の記事もご参照ください。

また、不同意性交等罪を含む性犯罪は比較的再犯率が高いため、裁判官に安心して執行猶予にしてもらうため、再犯予防のための仕組みを構築する必要があります。

具体的な方策は事件や被告人に関する事情次第ですが、家族等が情状証人として指導監督を誓約したり、専門機関の治療やプログラムを受けることとし、そのこと自体を適切に立証しなくてはなりません。

※執行猶予の獲得一般については執行猶予となりたいの記事もご参照ください。

無罪を主張する場合

裁判で無罪を主張し、無罪判決を得ることは容易ではないと言わざるを得ません。

しかしながら、数は少ないながらも無罪となるケースは確実に存在しますし、当事務所でも複数の無罪判決を獲得しています。

また、刑事裁判のルールでは、合理的な疑いを差し挟む余地がない程度に、検察側が立証しなければならないこととなっています。

客観的な証拠がなく、供述の信用性が問題となるパターンの多い不同意性交等罪の事件では、証人尋問等の結果やそれを踏まえた信用性等の評価次第で無罪となることも十分に想定されます。

特に同意の有無やその誤信については、内心の問題であることもあって、捜査機関の事実認定と裁判所の事実認定が異なるものとなるケースもあるでしょう。

いずれにせよ、まずは検察側がどのような証拠構造で立証しようとしているのかの把握と、それを踏まえた上での緻密な訴訟戦略が必要となってきます。

※無罪の獲得については無罪を勝ち取りたいの記事もご参照ください。

不同意性交等罪でお悩みの方は、元検事の弁護士にご相談ください

上原総合法律事務所は、元検事の弁護士8名を中心とする刑事事件の専門家集団です。刑事事件に関する法律上、手続上の知識はもちろん、捜査機関の手法や考え方も含めた専門的な知見に基づき、事件を早期解決するための独自のノウハウを有しています

不同意性交等罪の疑いをかけられた方、性交等をした相手から同意がなかったと訴えられている方などからのご相談をお受けしております。

刑事事件として立件されたり、逮捕されるだけでも大きな不利益となりますし、実刑になってしまえば、長期間社会と隔離されることとなりかねません

上原総合法律事務所は、より良い未来に向かおうとする依頼者に寄り添います。

逮捕を回避する、不起訴を勝ち取る、執行猶予や無罪判決を勝ち取ることで、これまでと変わらない人生を送ることができるかもしれません。

早期に刑事事件に精通した弁護士に依頼することで逮捕の回避や不起訴、執行猶予などの可能性を高めてください。

不同意性交等罪事件を起こした方、疑われている方は、お気軽に、お早めにご相談ください。

ご相談の流れについてはこちらをご参照ください。
弁護士費用について詳しくはこちらをご参照ください。

※令和7年6月施行の刑法改正により、懲役刑・禁錮刑は拘禁刑に一本化されました。作成日により、当サイトの記事中の記載がなお懲役・禁錮となっている場合がありますのでご留意ください。

弁護士 上原 幹男

弁護士 上原 幹男

第二東京弁護士会所属

この記事の監修者:弁護士 上原 幹男

司法修習後、検事任官(東京地方検察庁、奈良地方検察庁等)。検事退官後、都内法律事務所にて弁護士としての経験を経て、個人事務所を開設。 2021年に弁護士法人化し、現在、新宿事務所の他横浜・立川にも展開している。元検事(ヤメ検)の経験を活かした弁護活動をおこなっている。

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