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刑事事件の流れについて元検事の弁護士が解説

 

捜査段階について

身柄事件(逮捕・勾留された場合)

家族や友人が逮捕された場合、とても心配になると思います。
これから、逮捕された後の流れを説明します。

1 逮捕・勾留

身柄事件では、被疑者は、逮捕から48時間以内に検察庁に連れて行かれます(刑訴法203条1項)。

そして、被疑者が検察庁に連れて行かれてから24時間以内に、検察官は、裁判官に勾留を請求するかどうかを決めます。

被疑者

事件を犯したと疑われている人のことを被疑者といいます。
逮捕された人も、逮捕されていない人も、事件を犯したと疑われていれば、被疑者です。

 

検察官は、証拠隠滅や逃亡の恐れがあるので勾留が必要だと判断した場合、裁判所に勾留を請求します。
検察官から勾留の請求を受けた裁判官は、勾留が必要だと判断した場合、裁判官が勾留を決定します。

勾留が決定すると、被疑者は、警察署内の留置場から出られなくなります。

勾留の期間は、勾留請求の日から原則10日間ですが、一定の場合(やむを得ない事由がある場合)、検察官が裁判官に請求して、さらに10日間延長されることもあります。

逮捕されて引き続き勾留されることになった場合、最大で23日間留置所にて身柄を拘束されます。

勾留されている間は、被疑者は留置場から出ることはできず、電話はできず、手紙も制限するなど、自由に行動できません

そのため、弁護士が面会し、社会生活上必要な伝言等をしたり、取調べ対応をアドバイスしたりします。

この場合、弁護士が早期に面会することで、取調べへの方針を決め、社会生活上必要な伝言をしたり、示談交渉をしたりすることで、被疑者が早く釈放されるようになったり社会生活上のダメージ(会社を辞めなければいけなくなるなど)を防ぐことにつながります。

家族や知人が逮捕された場合、一刻も早く弁護士に相談することをお勧めします。

2 事件の処分

警察官と検察官は、勾留期間満了時までに捜査を行い、検察官が

公判請求

・略式起訴

・不起訴

処分保留釈放

のいずれにするかを決めます。

検察官のみが、この事件の処分を決定する権限があります。

事件の処分

公判請求(起訴、正式起訴、などとも呼ばれます。)
検察官が裁判所に法廷での裁判を求めるもので、通常、検察官は、被疑者を懲役若しくは禁錮といった刑務所行きにすべきと考える場合に公判請求をします。

略式裁判(略式命令、略式起訴、略式、などとも呼ばれます。)
被疑者から罰金を取るべきと検察官が考えた場合に行う手続きです。その場合、逮捕されていた被疑者は、略式命令のある日に釈放されますが、罰金前科がつくことになります。

不起訴
その事件を裁判にしない、という検察官の決定で、刑事事件は終了となり、前科もつかず、事件がなかったのと同じように生活できます。

処分保留釈放
逮捕勾留した被疑者の身柄を一旦釈放し、その後さらに捜査をして事件をどう処分するかを判断する、という検察官の一時的な判断です。
処分保留の場合、釈放してから事件を処分するまでの時間制限はありません。

 

在宅事件(逮捕されなかった場合)

実は、刑事事件が起きても、逮捕されないことの方が多いのです。

在宅事件の場合、被疑者は、警察官及び検察官に呼び出しを受け、取り調べを受けます。

検察官は、取り調べを踏まえ、公判請求するか、略式起訴にするか、不起訴にするかを決めます。

在宅場合、検察官は事件の処分を決定をするまでの時間制限がありません。
長いと、検察官が起訴・不起訴の決定をするまで、1年以上かかることがあります。

そのため、弁護士が取調べ対応を指導したり、検察官に対して早く処分をするように求めることもあります。

在宅事件の場合、身柄事件と比べて、「一刻も早く」弁護士に相談するという必要まではありません。

ですが、取調べを受ける前には取調べ対応の方針を決めたいものですし、示談ができれば、取調べ自体を回避できる可能性もあります。

事件を起こしてしまった場合、弁護士に相談することをお勧めします。経験のある弁護士に依頼することは、必ず役に立ちます。

 

裁判段階について

 

身柄事件で公判請求された場合は、引き続き身柄が拘束されます。

釈放されるためには、裁判所に保釈請求をし、許可をもらい、保釈金を納付することが必要です。

在宅事件で公判請求された場合、通常、身柄拘束はされません。

なお、公判請求されると、被疑者ではなく、被告人と呼ばれるようになります。

公判請求が決定されてから、通常1~2ヶ月で裁判が行われます。

裁判手続は、大きく分けて

自白事件

・否認事件

に分かれます。

1 自白事件の場合

自白事件は、有罪を認める事件です。

自白事件の場合、通常、裁判は1−3回程度で終わります。
そのため、公判請求されてから2−4ヶ月程度で事件が終了します。

自白事件
の場合、弁護士は、刑罰が少しでも軽くなるように、示談交渉などの活動をします。
また、被告人やご家族とお話し、なぜ事件が生じたのか、どうしたら再犯を防げるのか、などを話し合い、その結果を裁判官に伝えます。
談や再犯予防のための話し合いには、時間がかかります。

これらを裁判が終わる前にするため、お早めにご相談ください。

2 否認事件の場合

否認事件は、無罪若しくは罪の一部の成立を否定する(一部無罪)を主張する事件です。

この場合、検察官と被告人・弁護士は、証拠や事実の存否を巡って意見を対立させ、裁判官が最終的に有罪かどうかを判断します。

この際、裁判官は、「証拠からすれば有罪であると言い切れない」と考える場合には無罪を言い渡さなければいけません(専門的には「合理的な疑いを差し挟む余地のないほどの立証」があったといえるかが問題となると言われます)。

そのため、被告人・弁護士側の活動活動は、裁判官に、「有罪ではないかもしれない」と思わせることを目標とすることになります。

否認事件の場合、裁判には時間がかかり、早くても半年、長いと1年以上かかることがあります。

否認事件の場合、弁護士は、被告人からよく話を聞き、証拠を精査するとともに、自ら証拠や証人を探し、無罪にするための証拠や理論を探していくとになります。

この場合、弁護士としては、できれば逮捕されたり疑いが生じたりした直後からご相談いただけると助かります。

というのは、公判請求されてからご依頼いただいた場合、すでに、事件の日時から時間が経っています。
そうすると、過去にはあった証拠がなくなっていたり、証人の記憶が薄れたりしてしまいます。
た、取調べにより、供述調書(被疑者の発言を記録する書類です。)が作られると、その内容が誤っていても、取り返しがつかなくなることがあります。

否認事件の場合、なるべく逮捕や疑われた直後から、公判請求された場合にはできるだけ早く、弁護士を依頼することをお勧めします。

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