ご注意ください
依頼者:Aさん 50代 男性
罪名:詐欺
結果:多額かつ複数件の詐欺で第一審で実刑判決となっていた件につき、控訴後被害者との間で示談を成立させ、原判決破棄、減刑となった
事案の概要
本件は、勤務先の顧客に対する複数件の詐欺罪で起訴され、第一審で実刑判決を受けたという事案であり、控訴した後にご依頼いただいたという経緯でした。
第一審までは国選弁護人が対応していたところ、示談も被害弁償もなされないまま、長期の実刑判決となっており、控訴審で何とか執行猶予や減刑を目指すほかないという状況でした。
被害総額は数千万円に及ぶ事案であり、そのままでは実刑は確実であろうと目される事実関係でしたが、犯行当時の被告人の勤務先から被害者らへの被害の補填がなされていたことから、第一審の段階では被害弁償もしないという方針であったようです。
しかしながら、窃盗や詐欺、横領といった財産犯では、被害弁償を行うことが非常に重要であり、もし実質的な損害が別の個人や法人に生じているようであれば、そちらへも被害弁償等を行うことが有益な場合もあります。
また、詐欺等で被害額が数百万円以上に及べば、初犯であっても実刑となる可能性が高くなってきます。
本件の被害額は数千万円であり、被告人からの被害弁償等もない状況であったところ、長期の実刑となった第一審判決はある種当然の結果ともいうべきものでした。
弁護活動
刑事事件における控訴審はいわゆる事後審であり、一審判決に誤りがあるかといった観点から判断されるものですが、一審より後に生じた事情についても主張立証することができます。
本件の場合、被害弁償等は全くされていない状況であったため、直接の被害者はもちろん、実質的な損害を被っている元勤務先との間でも、被害を補填するとともに示談を目指すべき状況でした。
しかしながら、数千万円に及ぶ被害額を賄えるだけの資力はなく、実質的損害が生じている元勤務先との関係は非常に悪化しているなどの事情もあり、依頼者様のご意向も踏まえ、本件では、せめて直接の被害者に可能な範囲の被害弁償を行って示談を目指すという方針となりました。
その結果、直接的な被害者との間では、1名を除き示談を締結することができました。
被害弁償の額は被害額と比較すると僅少と言わざるを得ないものであったこと、被害者全員とは示談が成立せず、また実質的損害を被った元勤務先とも示談はしていないことから、執行猶予が付されるには至りませんでしたが、控訴審における示談等は評価され、第一審は破棄され、大幅ではないものの、減刑された判決が言い渡されました。
弁護士のコメント
刑事事件における控訴審は、基本的には第一審が誤っていると言えるか、という観点から判断されるもので、第一審の判決は誤りといえない限り尊重される傾向にあります。
そのような構造から、一度言い渡された判決を覆すことは容易ではありません。
しかしながら、第一審までに行うべきでありながらなされていない弁護活動等があり、それを実施すれば、控訴審等で異なる判断に至ることもあります。また、特に事実関係については第一審の判断が誤っていると言えるのではないかという事案もあります。
まずは第一審で、さらに言えば起訴が決まるまでに、なすべき主張等をなしておくことが重要ですが、控訴審からでもあきらめず対応することで道が拓ける場合もあります。
上原総合法律事務所では、元検事の弁護士が、検察官として多数の刑事事件の捜査・裁判に従事してきた知識や経験に基づいて、的確に見通しを立て、事案やご依頼者様のご意向に応じた最良の弁護活動をさせていただきます。
刑事事件でお悩みの方は是非一度弊所にご相談ください。
※控訴審・上告審については控訴と上告の違いとは?元検事(ヤメ検)の弁護士が語る刑事事件における上訴手続きのポイントと成功の秘訣の記事もご参照ください。




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