弁護士 上原 幹男
第二東京弁護士会所属
この記事の監修者:弁護士 上原 幹男
司法修習後、検事任官(東京地方検察庁、奈良地方検察庁等)。検事退官後、都内法律事務所にて弁護士としての経験を経て、個人事務所を開設。 2021年に弁護士法人化し、現在、新宿事務所の他横浜・立川にも展開している。元検事(ヤメ検)の経験を活かした弁護活動をおこなっている。
2023年7月13日に改正刑法が施行され、かつての強制性交等罪(更に過去へ遡れば強姦罪)が不同意性交等罪という名称に変更されるなどして以降、その種事犯が以前よりも多く立件されるようになったと感じています。
当然ながら実際に不同意性交等罪を犯した事件もあるのでしょうが、立件されてしまった中に、冤罪事件もあるかもしれません。
上原総合法律事務所にも、「行為当時は相手の同意があった(あると思っていた)のに、後になって不同意性交等罪(レイプ)だと言われている」といったご相談を(残念ながら多く)いただいています。
性交等は通常相手と2人きりの状況下で行われますから、相手の意思に反していなかったという証拠を提出することが難しい場合も多いのですが、手をこまねいていれば、状況が不利になったり、逮捕されたりするリスクがあると言わざるを得ません。
この記事では、刑事事件を熟知する元検事(ヤメ検)の弁護士が、同意の有無やその認識が問題となる場合の対策、示談交渉の是非とポイント、被害申告されるとどうなるか、警察や検察の考え方、捜査機関への相談方法や上申書作成上の注意点などを説明します。
なお、この記事は、早期解決等のためにあえて示談するという選択肢も視野に入れている方向けの記載をしています。
示談するつもりがない方や示談できないと確定した方向けの記事も作成していますので、不同意性交等罪の冤罪嫌疑をかけられているが示談したくないし逮捕もされたくない場合どうすれば良いかをご覧ください。
不同意性交等罪・不同意性交等致傷罪とは何か、これらの罪を犯したらどうなるか、について詳しくは不同意性交等致傷とは?元検事の弁護士が成立要件や弁護活動について解説をご参照ください。
不同意性交等罪をしたらどうすれば良いか、について詳しくは不同意性交等罪を犯したらどうなるのか、逮捕や実刑を防ぐためにどうすべきかをご参照ください。
示談した方が良いのかについては【冤罪】犯罪をしていないけれども示談した方が良いのか・示談する方法・注意点をご覧ください。
目次
不同意性交等罪の冤罪とは?
同意があった/同意があると思っていた
不同意性交等罪は、「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて」(=「不同意」で)、性交等を行うことを処罰する罪です。
つまり、
- 同意しない意思を「形成」することが困難な状態
※例えば泥酔したり薬物の影響等で意識がない場合など、性的行為をするかどうかを考えたり、決めたりするきっかけや能力が不足したりしていて、性的行為をしない、したくないという意思を持つこと自体が難しい状態をいいます。 - 同意しない意思を「表明」することが困難な状態
※例えば強い上下関係のある相手で断れないなど、性的行為をしない、したくないという意思を持つことはできたものの、それを外部に表すことが難しい状態をいいます。 - 同意しない意思を「全う」することが困難な状態
※例えば暴行や脅迫によって無理やりに性交等をされる場合など、性的行為をしない、したくないという意思を外部に表すことはできたものの、その意思のとおりになることが難しい状態をいいます。
の3つのいずれかに、「させ」又は「その状態に乗じ」ることが要件とされています。
したがって、そもそも相手方と性交等をしていないのに相手方から性交等をしたとの被害を申告されている場合のほか、同意の下で性交等をしたにもかかわらず後になって相手方から意思に反して性交等をさせられたと申告されている場合も、冤罪(本来は不同意性交等罪が成立しないのにその濡れ衣を着せられている状態)ということができます。
なお、不同意わいせつの場合も同じ問題はありえ、性交までには至らないわいせつな行為について、「行為そのものをしていない場合」のほか、「同意があった(同意があると思っていた)場合」も冤罪ということができます。
相手の年齢に関する誤解
また、刑法は、一定の年齢に達していない相手方と性交等をした場合には、その相手方の同意の有無を問わず、性交等をしたことだけで不同意性交等罪が成立すると定めています。
すなわち、13歳未満の人と性交等をした場合には、相手方の同意の有無に関係なく、不同意性交等罪が成立します。
また、13歳以上16歳未満の人と性交等をした者が、相手より5歳以上年長(年上)であった場合にも、相手方の同意の有無に関係なく、不同意性交等罪が成立します。
もっとも、これらの類型では、性交等をする時点で、相手方が“13歳未満である”又は“13歳以上16歳未満で、自分より5歳以上年下である”と認識していなければ、不同意性交等罪は成立しません。
したがって、性交等をした時点で、相手方の年齢をそのように認識していなかった(13歳未満であるとか、13歳以上16歳未満で自分より5歳以上年下であると認識していなかった)にもかかわらず不同意性交等罪であるとの嫌疑をかけられている場合にも、冤罪ということができます。
なお、不同意性交等罪にいう「性交等」には、男性の陰茎を女性の膣内に挿入する「膣性交」のほか、「肛門性交」、「口腔性交」、例えば指などを膣又は肛門に挿入するわいせつな行為が含まれますし、被害者が傷害を負った場合には不同意性交等致傷というさらに重い犯罪となりえます。
不同意性交等罪・不同意性交等致傷罪とは何か、これらの罪を犯したらどうなるか、について詳しくは不同意性交等致傷とは?元検事の弁護士が成立要件や弁護活動について解説をご参照ください。
冤罪であっても示談もあり得る?
そもそも性交等をしていないといった場合等はさておき(その場合であっても示談という選択もあり得はします。)、同意の有無や同意に関する認識が問題となる場合、あるいは相手が5歳以上年下だとは思っていなかったという場合などは、示談は現実的な選択肢のひとつです。
冤罪で起訴されたり有罪となるリスク
まず、同意しているか否かは内心の問題であり、「同意していた/していなかった」が明確に分かる客観的な証拠は基本的に存在しません。
そのような場合、「被害者」側の主張が合理的で説得力のあるものであり、他方で「同意があった(あると思っていた)」ことをうかがわせる証拠がなければ、真実は不同意性交等罪が成立しない場合であっても、起訴され有罪となってしまうおそれがあると言わざるを得ません。
また、相手の年齢についても、「16歳未満である」という可能性を認識していれば理論上故意は認められるところ(いわゆる未必の故意)、例えば偽造された身分証で年齢を偽られたなどの場合でもなければ、故意がなかったとは判断されないリスクも大ですし、処罰を回避するという観点からは、不同意性交等が成立するかに留まらず、いわゆる淫行条例違反(相手が18歳未満)に該当する可能性の認識まで考える必要もあります。
不起訴や無罪となっても事実上の不利益も
さらに、最終的には不起訴や無罪となる場合であっても、逮捕や捜索差押え(いわゆる家宅捜索)、報道等が先行すれば、社会生活上極めて重大な不利益が生じますし、結論が出るまでに時間がかかるという問題もあります。
このような事情を踏まえ、早期に解決するためであれば、あえて示談を選択することにも一定の合理性がある場合もあります。
同意があると誤解していたなどの場合には示談すべき理由もある
また、特に「同意があると思っていた」という場合は、故意がないため法律上不同意性交等罪は成立しないものの、客観的には「意思に反する形で性交等をしてしまった」という事実はあることが前提になり(相手の年齢を誤解していた場合も同様に、本来性交等をすべきでない相手と性交等してしまったということは事実です。)、「冤罪」であることと「謝罪と被害弁償をし、示談すること」が論理的にも矛盾しません。
さらに言えば、同意の有無という内心の問題はある意味でグラデーション的なものともいえ、「絶対に嫌だというわけでもないけど、真に同意していたわけではない」といった心境もあり得ます。
こういった微妙な心境の場合、同意と不同意の線引きをどこでするのかは非常に難しいところですが、「相手が本心では嫌々であった」可能性があるのであれば、謝罪や被害弁償をして示談をするという選択もあるでしょう。
示談する際の注意点
「同意がある(と思っていた)」「性交等しても問題のない年齢だと思っていた」にも関わらず示談をしようとする場合、いくつか注意すべき点があります。
何を認め、何を否定するのか
まず、基本的には「冤罪」であれば、示談交渉上「どのような事実関係を前提とするか」に留意する必要があります。
「被害者」側(相手方)は当然ながら、「不同意であった」ことを前提に被害を主張しているわけですし、基本的には「不同意であることは向こうも分かっていたはずだ」という主張をしているものと理解してよいでしょう。
そのような場合に当方が「同意があったけど示談しよう」と交渉したとすれば、相手方は「じゃあ一体何について謝罪するというのか」と憤慨し、示談が成立する可能性は低くなると言わざるを得ません。
なお、残念ながら、相手方が金銭目的で虚偽の被害申告をするという可能性もあり、そのような場合であればいずれにせよ示談が成立するという可能性はあります。
とはいえ、相手方側は、周囲や捜査機関に被害を主張してしまった手前、「同意があった」という前提で示談をすることに心理的な抵抗がある場合もありますし、虚偽の被害申告でもそれが感情的な理由によるものであれば示談が難しい場合もあります。
他方、当方において「当時は同意があるという認識であったが、実際には真の同意はなかった」、すなわち同意していたかどうかについて誤解していたという前提であれば、謝罪や被害弁償を行うことに理由もあることとなりますし、相手方も「確かに誤解してはいたのかも」と受け止める可能性もありえます。
とはいえ、相手方において「誤解していたということもありえない」「罪を全て認めないと示談しない」という反応もあり得るところではあり、どのような前提で示談交渉をするのかについては、具体的な状況や相手方次第で慎重な検討が必要です。
全て認めてしまうことには大きなリスクも
「相手方に示談に応じてもらう」のを最優先とするのであれば、相手方が主張している内容をそのまま受け入れてしまうことが示談成立の可能性を最大化する手段でしょう。
また、被害申告もしないなどといった内容で示談が成立すれば、相手方の主張を認めたとしても不起訴の確率は高いでしょう(とはいえ、不同意性交等罪も親告罪ではなくなったため、被害者の告訴なしでも起訴される可能性はゼロではありません。)。
しかしながら、実際には同意があると思っていた場合や、相手の年齢を誤解していた場合などに、そのような誤解もなかったとして全て認めてしまうことには大きなリスクもあります。
相手の主張を認めれば、示談に応じてもらえる可能性が高まるであろうことは上記のとおりですが、認めさえすれば示談が必ず成立するというものではありません。
金額面やその他の条件から結局は示談が成立しないという場合もあり、そうなると不同意であったことや相手の実際の年齢を認識していたことを認めたという事実だけが残ることにもなりかねません。
もちろん、どのような状況下で認めたかによって影響は様々ですし、「あくまで示談のために認めていただけ」としてその後争うという余地もありはしますが、一貫した主張をしていた場合と比べると信用性は認められにくくなるのが通常です。
示談交渉をする場合であっても、どのようなスタンスで交渉に臨むかは、事案の内容や相手との関係、事件としてどこまで進んでいるかなど、状況に応じて慎重な検討が必要であり、刑事事件に精通した弁護士からアドバイスを受けるのが望ましいでしょう。
また、全て相手方の主張を受け入れるのではなく、同意の有無の認識等についてはあくまで争うという場合には、示談に加えて事実関係を適切に捜査機関等に主張していくといった対応も必要です。
示談書の内容にも注意
示談自体はおおむね合意に至ったとして、具体的な示談書の内容にも注意が必要です。
示談金の額は示談内容の大きな要素ですが、示談を踏まえての「被害者」の意向も極めて重要です。
示談を踏まえた「被害者」の意向として、事件について許すとなっているのか、刑事告訴や被害申告、あるいはその取下げについてどうするということとなっているのか、刑事手続の結論についてどのように希望するのかなど、様々な内容がありえます。
また、示談締結後、捜査機関から被害者に意思確認の連絡が入ることもあり、示談の内容について「被害者」側にもきちんと理解してもらった上で正しく合意しておくことも必要です。
そのほかにも、接触禁止や口外禁止の条項をもうけるか、合意した内容が正確に示談書に反映されているかなど、注意すべき点は多く、この点でも刑事事件に精通した弁護士の関与が望ましいでしょう。
警察沙汰になる前に示談での早期解決も可能
相手方に「不同意性交等罪の被害に遭った」と、真実とは異なる主張をされてしまった場合であっても、その相手方が、すぐに警察に行くとは限りません。
その相手方がかねてからの友人や知人である場合等では、まず直接又は共通の知人を介して不満を伝えてくることがあります。
また、風俗店での行為であれば、店舗の人間を通して被害弁償を請求してくることもあります。
こうした段階で話し合ってトラブルを解決することができれば、警察沙汰を避けることができます。
示談して終了することもありますし、謝罪などの話し合いだけで終わることもあります。
ただ、相手方は「不同意性交の被害に遭った」と主張してきている以上、当事者間での話し合いは困難な場合もありますし、「共通の知人」を介す場合にも、公平な立場で仲介してくれるとは限りません。
また、前述のとおり、「同意がある(と思っていた)」「性交等しても問題のない年齢だと思っていた」にも関わらず示談をしようとする場合、どのようなスタンスで交渉に望むかは、状況に応じて慎重な検討が必要です。
さらに、示談成立の際には後の被害申告等を回避できる内容の示談書を作成しておくべきです。
したがって、刑事事件に精通した弁護士を介しての示談が望ましいところです。
やっていないのに示談すべきなのか、示談のメリットデメリット、示談する方法などについて詳しくは【冤罪】犯罪をしていないけれども示談した方が良いのか・示談する方法・注意点をご参照ください。
示談が成立して終了した事案については強制性交等被害名目での慰謝料請求の解決事例(慰謝料支払いなしで解決)をご参照ください。
被害申告や告訴をされるとどうなるか?
被害申告や告訴をされるとどうなるか
示談や話し合いで解決ができなかった場合や、そもそも「不同意性交等罪の被害に遭った」と主張をしている相手方が話し合いを選択しなかった場合には、警察への被害申告や告訴がなされる可能性があります。
被害届や告訴状が受理されると、加害者とされている人は「被疑者」という立場になります。
警察は、被疑者が本当に不同意性交等をしたのかどうか明らかにするため、捜査を行うことになります。
具体的には、被害申告者からの事情聴取のほか、被害申告者からメッセージアプリの履歴を入手して精査したり、現場付近の防犯カメラ映像を収集・解析したりする捜査等が行われます。
警察は、そういった捜査を進めながら、被疑者を逮捕するかどうかを検討します。
また、逮捕はしない場合であっても、自宅や関係先が捜索差押え(いわゆる家宅捜索)の対象となるおそれもあります。
不同意性交等罪は重大犯罪ですから、警察において犯罪の嫌疑が濃厚であると考えた場合や、罪証隠滅(証拠隠滅)や逃亡のおそれがあると判断された場合には、逮捕に向けた準備を行うことになります。
警察に逮捕されるのはどんな場合?
警察は、被疑者の逮捕が必要であると判断した場合、裁判官に対して令状(逮捕状)を請求します。
裁判官が「不同意性交等をした疑いがある」と考えるだけの証拠があれば、罪証隠滅のおそれ等も認められることが多いと考えられ、逮捕状が発付されるのが通常です。
逮捕は、被疑者にとても大きな影響を与えるものです。
特に不同意性交等罪で逮捕されると、真実は不同意性交等をしていない場合であっても「不同意性交等罪で逮捕された人」という色眼鏡で見られてしまいます。
警察もこのことをよく理解しており、不同意性交等罪で逮捕して不用意に逮捕された人の人生に悪影響を与えないよう、逮捕するかどうかを慎重に判断します。
場合によっては、警察が検察に対して事前に相談することもあります。
そのため、被害申告者が警察に逮捕してほしいと言ったからといって、警察が直ちに逮捕するとは限りません。
特に、被害申告者と被疑者が、かねてからの友人・知人であったり、マッチングアプリで知り合っていたりした場合に、性交等の行われたホテルや家に一緒に行っていたというようなときには、同意の上で性交等をしていた可能性や、被疑者において性交等に同意していると誤解していた可能性も考えられるでしょう。
そのため、警察は、性交等に至る前やその後のメッセージ履歴、防犯カメラ映像といった客観的な証拠等も踏まえながら、逮捕に踏み切るべきかを慎重に検討します。
もっとも、被害申告者が家に押し入られて被害に遭っていたり路上や暗がりで襲われていたりする場合、警察は、更なる犯行が行われることを防ぐため、犯人が誰なのか明らかになった段階で、なるべく早く逮捕するというのが通常です。
なお、不同意性交等罪で逮捕されれば、ほぼ確実に勾留請求され(令和3年犯罪白書によると強制性交等罪の勾留請求率は99.6%です。)、身柄拘束が継続する可能性が高いです。
同意があったはずなのに被害申告や告訴をされた場合
前述のとおり、相手方が真に同意をして性交等に応じていたのであれば、後になって相手方から「あのときの性交等は同意していなかった」と主張されたとしても、不同意性交等罪が成立することはないはずです。
もっとも、警察が相手方から不同意性交等罪の被害申告を受けた場合、相手方の話だけを聞いて捜査を開始せざるを得ません。
上記のとおり、さらなる示談交渉で不起訴等を目指すという方針もありえますが、少なくとも同意があると思っていた(誤信していた)という場合には、示談交渉と並行して、誤信していたので故意はないと主張をしていくのが望ましい場合もあります。
そのため、上記のようなあらぬ嫌疑を掛けられることになってしまった場合には、警察がまだ相手方の話しか聞くことができていない状態であることを念頭に置き、まずは、こちら側の言い分をしっかりと警察に話すとともに、可能であれば、それに沿った証拠を提示するというのが、ベストな選択となることが多いでしょう。
取調べを受けるときは、注意すべきことがありますので、詳しくは元検事の弁護士が取調べにどのように対応すべきか解説をご参照ください。
また、被疑者として捜査機関に事実を話したとしても、相手方も主張を曲げない限り、どちらの話が信用できるかという問題になり、冤罪で起訴、有罪となってしまうおそれも否定できません。
基本的には密室で2人きりの状況で発生することが多い類型の犯罪ですので、相手方と被疑者の供述が1対1となり、相手方の話が信用できると判断されてしまうおそれがあります。
「真実は同意があったのだから分かってくれるはず」と楽観視せず、信用されるべく的確な供述をするとともに、相手方の主張と相反する、あるいは自身の主張と整合する証拠を収集し、冤罪である旨主張していく必要があるでしょうし、状況や意向次第ではあえて示談するという選択肢が有用な場合もあるかもしれません。
上記の「相手方の主張と相反する、あるいは自身の主張と整合する証拠」としては、例えば、被害に遭ったとされる時点より前の経緯に関するものであれば、相手方が自身に好意を寄せているようなメッセージ、相手方と2人きりになる前に同席していた知人による「相手方の方が好意を寄せているようだった」旨の証言、相手方が積極的に自宅マンション等に入っていく状況が記録された防犯カメラ映像等が考えられるでしょう。
また、被害に遭ったとされる時点より後の経緯に関するものであれば、相手方がその後も好意を寄せているようなメッセージ、相手方との親密な関係が継続していたことが分かる写真や動画等が考えられるでしょう。
これらはあくまで一例にすぎず事案によって異なりますから、事案に応じた証拠を探していくことになります。
取調べにおける対応方法はもちろん、どのような証拠が想定されるかの検討やその収集、またそれらの証拠を踏まえた効果的な主張方法等についても、刑事事件に精通した弁護士のサポートが重要です。
示談(話し合い)で解決できない場合、先に自分から警察に相談するという手も
また、「不同意性交等罪の被害に遭った」と主張をしている相手方と話し合いで解決できそうになく、他方でまだ捜査機関への被害申告等までは至っていない場合、加害者とされている側において、自ら警察へ相談に行くということも、1つの選択肢となります。
相手方よりも先に自ら警察へ相談に行けば、自身の言い分を先に聞いてもらってから、相手方の話を聞いてもらうことができるため、相手方の言い分だけに依拠して捜査が進んでいってしまうという事態を防ぐことができます。
自分から警察に相談したということ自体から、主張を信用してもらいやすくなるという効果もありえますし、逮捕されるか否かという観点からも、罪証隠滅や逃亡のおそれを低減させる事情ともなりえます。
ただ、実際に自ら先に警察に相談すべきかや、どのように相談するかなどは事案に応じた検討が必要ですし、場合によっては弁護士が警察へ同行すべき場合もあるでしょう。
自分から警察に相談に行く場合、上申書の作成も検討すべき
自ら警察へ相談に行く場合、自分の口で一から事情を説明した方が、記憶に従った話をしていると警察官に認識してもらいやすいでしょう。
しかし、自分の口で一から事情を説明する自信がないなどの場合には、話したい内容をあらかじめ「上申書」という形で書面にしておき、警察へ相談に行く際に持参して提出するということも検討すべきです。
そうすることにより、もし緊張等から口頭ではうまく説明できなかったとしても、主張すべき内容を正確に伝えることができますし、上申書を作成することによって自らの記憶の整理等にも繋がります。
また、署名押印等をした書面は一定の証拠にもなりますし、のちに捜査が進行していった段階でも当初から一貫した主張をしていたことの証左ともなりえます。
上申書作成上の注意点
上申書は、自分の認識を書面にして証拠にし、警察官に伝えるためのものです。
そのため、まず
一義的に(誤解等が生じないように)明確に
正確に
分かりやすく
記載することが大切です。
せっかく上申書を記載して警察に相談するのに、不明確・不正確な書類が作成されては効果が減ってしまいます。
一義的に明確であるとは、正確に伝えるために、誰がどのように読んでも同じ意味に理解されるような文章を書くことです。
事実を正確に記載することも容易ではありません。
特に内心の描写は、「誤っていないけれども少し違う」という描写も多く、的確な記載をするには技術を要します。
また、正確な記載という観点からは、「現在の認識か過去の認識かの区別」(例えば、今は相手が結婚していると知っているが当時は知らなかったなどの区別)と「記憶と推測の区別」(覚えていることなのか、覚えていることから推測したことなのかの区別)も大切です。
どのような内容の上申書を作成すべきかは、当事者の関係や当時の状況、相手方からどのような主張をされているか、また客観的な証拠としてどのようなものがあるかなどによって千差万別です。
また、どのようなものが対捜査機関として有効なものなのかなども踏まえ検討する必要があり、捜査機関の考え方まで熟知した弁護士によるサポートが望ましいでしょう。
不同意性交等罪の冤罪を弁護士に相談するメリット
不同意性交等罪は重大な犯罪ですが、他方、巻き込まれる可能性の高い犯罪でもあります。
万が一トラブルや事件となってしまった場合、早期に弁護士に相談することで、被害申告や告訴の回避、逮捕の回避、不起訴や実刑判決回避の可能性が高まります。
示談という手段が選択肢になるのか、示談交渉をするとしてどのようなスタンスで臨むのかなども、刑事事件に精通した弁護士であれば適切なアドバイスを受けられるほか、示談書の内容についても内容が担保されます。
また、同意があった(と思っていた)などと主張していく場合には、その主張が受け入れられるような弁護活動も行っていくこととなります。
上原総合法律事務所には、非常に豊富な刑事事件の経験を有する元検察官(ヤメ検)の弁護士が多数在籍しており、不同意性交等を含め刑事事件のご相談をお受けしています。
お困りの方はお気軽にご相談ください。



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