家族など、自分にとって大切な方が逮捕されたという連絡が来た方は、「信じられない」「どうにかして助けたい」などと思ったり、何の容疑なのか・心身が無事なのかどうかと心配になったり、どうして良いかわからなくて途方に暮れたりします。
逮捕された方のご家族は主に以下の2つの役割をする必要があります。
1 早く釈放されるように、刑事処分が軽くなるように、活動する
2 逮捕されている間の社会との連絡役をする
以下では、この2つについて、元検察官の弁護士が、詳しく説明します。
逮捕されたご家族について、早く釈放してあげたい、少しでも軽い処分にしてあげたい、と思うのは、当然の人情です。
釈放を早くしたり軽い処分にするためには、迅速な動き出しが重要です。
このことを私たち弁護士は「刑事事件は時間との勝負」と言います。
これは、動き出すのが早ければ早いほど有利にできる、という意味ですが、この意味をしっかりと理解してもらうためには、もう少し説明が必要になります。
まず、以下の刑事事件の流れを知る必要があります。
警察に逮捕された場合、逮捕から48時間以内に検察庁に連れて行かれ、72時間以内に裁判所に連れて行かれます。
検察官・裁判官は、この約3日間の間に身柄拘束を続けるべきかを決め、釈放すると決めてもらえなければ、勾留(最長で20日間の身柄拘束)されます。
そして、検察官は、この20日間で起訴するか不起訴にするか(事件を裁判にするか、裁判にせずに終わりにするか)を決めます。
勾留中に起訴されると、身柄拘束はさらに続きます。
つまり、逮捕から約3日で、勾留(最長20日間)されるかが決まり、この勾留の間に起訴(裁判)されるかどうかが決まります。
そして、勾留するかどうかや起訴するかどうか判断においては、容疑の内容だけでなく、逮捕後に何をしたかなどの事情も考慮されます。
例えば、逮捕後すぐに正直に容疑を認めれば釈放される可能性が上がりますが、勾留が決定された後に容疑を認めても、釈放される可能性はそう高くありません。
また、起訴前に示談できれば多くの場合で不起訴になりますが、起訴された後に示談ができても起訴は取り消されません。
無実(容疑の犯罪をしていない)の場合、起訴前に適切な証拠を提出できれば「無実かもしれない」として不起訴になり得ます。しかし、起訴されてしまったら、同じ証拠を提出しても起訴が取り消されずに裁判が続く可能性があります。
このように、同じことをしても、タイミングにより釈放されるかどうか、裁判をするかどうかが変わってしまうのです。
また、事件の証拠は時間の経過とともに消えてなくなってしまいます。
例えば、防犯カメラ映像の保存期限が切れてしまったり、目撃者の記憶が薄れてしまったりします。
そのため、証拠も、早く動けば集められたものが、遅くなると得られなくなってしまいます。
このように、「刑事事件は時間との勝負」なのです。
そして、逮捕された方が正直に話をしてもらうよう説得したり、示談や無実の証拠を集めたりするのは弁護士の仕事です。
ご家族は、弁護士が早く動き出すように、迅速に弁護士に相談し、弁護士がご家族に求める協力をする、ということが大切です。
弁護士がご家族に求める協力には、身元引受人になったり、示談金を用意したり、証拠収集を手伝うなどです。
「迅速に弁護士に相談」と言えるかどうかは、逮捕翌日までに弁護士に相談することを一つの目安にしていただければと思います。
なお、逮捕翌日以降でも、1日でも早ければ早いほど良いため、逮捕翌日までに相談できなくても、遅すぎると諦めないでください。
逮捕されると、社会と断絶され、手紙と面会(留置場内での透明の板越しの面会)以外には、原則として外部と連絡できません。
ですが、職場や学校などを急に休み、何の連絡もしないとなると、外に出てきた後の生活に支障が生じかねません。
そのため、ご家族は、逮捕されているご本人の求めに応じて、社会への連絡役をする必要があります。
その際には、「事件のことを誰にどこまで話すか」という問題が生じます。
特に会社員や学生の場合、会社や学校に全てを話すことで解雇や退学などの不利益が生じることもありますし、事件によっては話すことで刑事処分に影響が出てしまうこともあります。
「事件のことを誰にどこまで話すか」については、弁護士に相談しながらケースバイケースで慎重に検討する必要があります。
上原総合法律事務所は、元検察官の弁護士の集団であり、刑事事件を熟知しています。
単に法律的側面からのアドバイスをするだけでなく、依頼者一人一人にとっての最善の解決のために力を尽くします。
ご家族などの大切な方が逮捕された方はもちろん、刑事事件を起こしたけれどもまだ逮捕されていない方・捜査機関に発覚していない方など、あらゆる刑事事件に関するご相談をお受けします。
刑事事件に関わってしまった方は、とても大きな苦しみを抱えていると思います。
専門家に相談することで、少しでも楽になるはずです。
お困りの方は、お気軽にご相談ください。
■LINEでのお問い合わせはこちら
■メールでのお問い合わせはこちら
※事案の性質等によってはご相談をお受けできない場合もございますので、是非一度お問い合わせください。
上原総合法律事務所の緊急接見についてはこちらをご参照ください。
弁護士 上原 幹男
第二東京弁護士会所属
この記事の監修者:弁護士 上原 幹男
司法修習後、検事任官(東京地方検察庁、奈良地方検察庁等)。検事退官後、都内法律事務所にて弁護士としての経験を経て、個人事務所を開設。 2021年に弁護士法人化し、現在、新宿事務所の他横浜・立川にも展開している。元検事(ヤメ検)の経験を活かした弁護活動をおこなっている。
【新着コラム】
【コラムカテゴリー】
【新宿事務所】
〒151-0051
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-3
やまとビル7階
新宿駅新南口 徒歩3分
新宿三丁目駅 E8出口すぐ
代々木駅東口 徒歩5分
【横浜事務所】
〒220-0004
神奈川県横浜市西区北幸2-9-40
銀洋ビル7階
横浜駅南9出口徒歩5分
【立川事務所】
〒190ー0012
東京都立川市曙町2ー8ー28
TAMA MIRAI SQUARE 4階
JR立川駅北口徒歩5分