盗品等関与罪とは?種類と刑罰について

財産事件
[投稿日]
弁護士 上原 幹男

弁護士 上原 幹男

第二東京弁護士会所属

この記事の監修者:弁護士 上原 幹男

司法修習後、検事任官(東京地方検察庁、奈良地方検察庁等)。検事退官後、都内法律事務所にて弁護士としての経験を経て、個人事務所を開設。 2021年に弁護士法人化し、現在、新宿事務所の他横浜・立川にも展開している。元検事(ヤメ検)の経験を活かした弁護活動をおこなっている。

第1 盗品等関与罪の種類と刑罰

盗品等関与罪は刑法256条に規定されており、以下の5つの種類に分類されます。

それぞれの行為と刑罰について解説します。

1-1. 盗品無償譲受罪

盗品を無償で譲り受ける行為を処罰します。
これは、盗品の流通を助長する行為とみなされるためです。

  • 例: 知人から盗品であることを知りながらタダで受け取った場合。
  • 刑罰: 3年以下の懲役または50万円以下の罰金

1-2. 盗品有償譲受罪

盗品を代金や対価を支払って譲り受ける行為を処罰します。
有償の場合は利益を得る動機が強いと判断され、より重い処罰が科されます。

  • 例: 窃盗品と知りながら中古品として購入
  • 刑罰: 10年以下の懲役

1-3. 盗品運搬罪

盗品を運搬する行為を処罰します。
運搬することで盗品の流通を助ける行為が対象です。

  • 例: 盗品と知りながら車で別の場所へ運ぶ
  • 刑罰: 10年以下の懲役

1-4. 盗品保管罪

盗品を保管する行為を処罰します。
盗品の隠匿や長期保管が対象となります。

  • 例: 他人の盗品を自宅に隠している
  • 刑罰: 10年以下の懲役

1-5. 盗品有償処分あっせん罪

盗品を第三者に売却するよう仲介・あっせんする行為を処罰します。

  • 例: 窃盗品の売却を手伝い、対価を得る
  • 刑罰: 10年以下の懲役

第2 盗品とは

盗品等関与罪が成立するには、その物が「盗品」に該当する必要があります。

盗品とは、窃盗、詐欺、恐喝などの犯罪によって得られた財物を指します。

以下の要件が満たされる必要があります。

2-1. 窃盗などの犯罪による取得物

盗品とは必ず犯罪によって得られた財物である必要があります。
合法的な手段で取得された物は対象外です。

2-2. 所有権の侵害

盗品の本質は、正当な所有者が財産権を侵害された物であることです。
窃盗や詐欺で奪われた物がこれに該当します。

第3 知らなくても処罰されるのか

盗品等関与罪で重要なポイントは、「盗品であると知らなかった場合でも処罰されるのか」という点です。

ここでは、認識や証拠について解説します。

3-1. 盗品性の認識

盗品等関与罪が成立するには、盗品であることを認識している必要があります。
意図的に知らないふりをしていた場合(未必的故意)も含まれる可能性があります。

  • 例: 市場価格より極端に安い値段で販売されている物を購入し、盗品と疑うべき状況があった場合。

3-2. 同一性の立証

盗品と関与した物が同一であることを立証する必要があります。
この点は捜査機関の調査による証拠が鍵となります。

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第4 親族からの依頼では処罰されないのか

刑法257条には、「親族相盗例」という特例が規定されています。
この条文により、一定の親族間での盗品関与は処罰されません

4-1. 親族相盗例の適用範囲

親族間の盗品関与が特例の対象となる場合は以下のとおりです。

  • 対象となる関係: 配偶者、直系血族、同居の親族
  • 例外: 同居していない兄弟姉妹などは対象外

4-2. 親族の依頼による盗品関与

親族からの依頼で盗品を隠匿した場合でも、親族相盗例が適用され、処罰を免れる可能性があります。

第5 盗品等関与罪の弁護活動

5-1. 示談交渉

被害者との示談は、量刑を軽減するために重要です。
示談成立により、不起訴処分となるケースもあります。

  • : 盗品の返還、金銭的な賠償を通じた和解。

示談について詳しくはこちらをご覧ください

5-2. 盗品性の否定

盗品と認識していなかったことを主張し、罪の成立を防ぐ弁護が行われます。
これには証拠収集が重要です。

不起訴について詳しくはこちらをご覧ください

起訴を避ける方法について詳しくはこちらをご覧ください

5-3. 量刑の軽減

前科や動機などの事情を考慮し、量刑の軽減を目指します

盗品等関与罪は、盗品の譲渡や運搬などに関与する行為を幅広く処罰する法律です。
しかし、盗品性の認識や親族相盗例など、個別の事情が重要となる場合もあります
もし盗品等関与罪に問われた場合は、迅速に弁護士に相談し、適切な対応を取ることが求められます。

執行猶予について詳しくはこちらをご覧ください

第6 お気軽にご相談ください

上原総合法律事務所は、元検事 8名を中心とする弁護士集団で、迅速にご相談に乗れる体制を整えています。

刑事事件に関するお悩みがある方は、ぜひ当事務所にご相談ください。

経験豊富な元検事の弁護士が、迅速かつ的確に対応いたします。

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着手金:55万円

成功報酬(不起訴・立件なし):66万円

日当(出張1回):3万3000円

※費用は一例です。弁護士費用は具体的な事案によって異なることがありますので、法律相談時にお尋ねください。

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