・ コロナ禍の中で、雇用を維持する企業などに支給される助成金をめぐり、うその申請を行っておよそ430万円をだまし取ったとして、熊本県宇土市の暴力団幹部と飲食店経営者の2人が詐欺の疑いで警察に逮捕された。
・ 警察によると、2人はおととし6月から去年7月にかけて、飲食店経営者が経営する飲食店について、うその内容を書いた「雇用調整助成金」と「緊急雇用安定助成金」の申請書を14回にわたって熊本労働局に提出し、およそ430万円をだましとったとして詐欺の疑いが持たれている。
・ 警察は、暴力団員が店の実質的なオーナーだったとみて、暴力団に資金が流れていなかったかなど、詳しく捜査している。
・ 熊本労働局によると、県内では13件で合計2億3千万円余りの不正受給が確認されており、労働局では悪質なケースは刑事告訴するなど対応を強化している。
上記報道の概要は、2022年1月12日付け「NHK NEWS WEB」の記事等を参考にし、内容を整理したものです。
各種報道によると、本件は、令和3年9月に発生した同じ様な事件をきっかけに警察と労働局が協力し捜査を進め、検挙に至ったようです。
捜査機関は、特に暴力団が関与している事件については積極的に捜査を行っており、本件もそのような従来の方針の一貫として検挙を目指したものと思われます。
もっとも、近時、厚労省が厚生労働省が雇用調整助成金に係る不正受給防止対策の強化を発表しましたから、今後は暴力団関係が関与しない事案であっても、本件のように労働局と警察とが協力して検挙を目指していく事案や、記事の後段にもあるように悪質なケースであるとして労働局が刑事告発(告訴)する件数は増えていくものと推察されます。
助成金の不正受給で刑事告発されてしまうと、高い確率で検挙に至るものと思われますし、雇用調整助成金は支給総額も高額に及び起訴される可能性も高い類型の事案ですので、有罪判決という重大な不利益を被ってしまいます(なお、被害者が国であるため示談が成立して不起訴となることも通常ありません)。
このような事態にならないためには、まずもって刑事告発をされないよう行動すべきです。
具体的な行動は事案によりますが、労働局の調査に適切に対応したり、調査が始まっていない段階で自主的に返金を申し出るといったことなどが考えられます。
上原総合法律事務所では、雇用調整助成金の不正受給案件に力を入れており、全国どこからのご相談でもお受けしています。
ご相談者のご不安をできるだけ早く解消するため、なるべく即日、遅くとも翌日と、迅速にご相談をお受けすることを心がけています。
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弁護士 上原 幹男
第二東京弁護士会所属
この記事の監修者:弁護士 上原 幹男
司法修習後、検事任官(東京地方検察庁、奈良地方検察庁等)。検事退官後、都内法律事務所にて弁護士としての経験を経て、個人事務所を開設。 2021年に弁護士法人化し、現在、新宿事務所の他横浜・立川にも展開している。元検事(ヤメ検)の経験を活かした弁護活動をおこなっている。
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