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厚生労働省による雇用調整助成金不正受給対応の強化が発表されました

令和3年12月9日に掲載された厚生労働省ホームページ記事において、厚生労働省による雇用調整助成金対応強化が発表されました。
令和3年中頃から「現在は雇用調整助成金を支給するので手一杯だが、不正が横行しているので、支給が一段落した令和4年頃には対応を強化するのではないか」と言われていました。
上原総合法律事務所にも実際に「労働局から連絡があったのでどうすればよいか」という相談を頻繁にいただいております。

以下では、強化された対応の内容と事業者が気をつけることを説明します。

なお、今回厚生労働省による雇用調整助成金対応強化について分ほどの動画を作成いたしました。
記事の内容をより詳しくご理解いただけると思いますので、是非ご覧ください。

 

対応強化1 事業所訪問・立入検査

不正が疑われる場合でなくても事業所訪問・立入検査を行う、とされています。
これまでも、不正が疑われていなくても事業所訪問・立入検査をすることはあり得ましたが、これからはより積極的に事業所訪問・立入検査が行われる可能性があります。
そして、その検査において不正が発覚することが見込まれます。
また、この事業所訪問・立入検査は事前予告なしに行われることがあるということです。
そして、事業所訪問・立入検査においては、従業員や取引先等への調査協力を求めることもあるし、提出代行や事務代理の社会保険労務士への確認を行うこともあるとのことです。
捜査機関からの問い合わせがある可能性があるともされており、刑事事件化される事案が増える可能性もあります。
これらからすると、労働局がより強い意思で不正の有無を検査しようとしていることが伺われます。

事業所訪問・立入検査においては、出勤簿・賃金台帳のほか、雇用契約書・業務日報など業務に関する様々な書類を確認されます。

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対応強化2 情報提供依頼

厚生労働省は、申請内容に誤りがあった場合や不正受給が疑われるケースを把握している場合について、情報提供を求めています。
これは、経営者だけでなく、従業員等に対しても情報提供を求めるものといえます。
上原総合法律事務所でも、経営者の把握していないところで従業員等が情報提供することにより不正受給が発覚するケースを認識しています。
また、上原総合法律事務所に対し、「会社が不正をしているので告発したい、正して欲しい」というお問い合わせをいただくこともあります。
※上原総合法律事務所では、会社からの依頼によって誤った受給や不正受給について適切な事後対応をサポートしておりますが、「会社が不正をしているけれどもどうすれば良いか」といった従業員の方からのご相談をいただいたとしても、会社からの依頼がなければ会社の代理人として活動することはできません。

不正受給の例

実際には出勤しているにも関わらず休業したものとして休業日数や休業時間を“水増し”して申請していた場合や、実際には従業員に所要の休業手当を支払っていないが、支払ったことを装い申請していた場合など、真実と異なると分かっていながらわざと内容虚偽の申請をした場合に不正受給となります。
テレワークさせていた場合や、客数が少なくて出勤した従業員の仕事がほとんどなかった場合でも勤務時間に含まれます。

事業者が気をつけるべきこと

調査においては、不正があり得るという視点から資料を検討されます。
その時に、適切な雇用管理ができていなかった場合や書類をなくしただけの場合でも、不正があって嘘をついているのではないか、などと不正を疑われる可能性があります。
今からでも適切な労務管理をする必要がありますし、現在存在する資料については整理・保管を徹底してください。

また、コロナ禍の中で混乱に乗じ、コンサルタントを名乗る犯罪者が「大丈夫ですよ」「みんなやっています」「ダメなときは支給されませんからとりあえずやってみましょう」などと言って他人を騙して雇用調整助成金を不正受給させ、高額の手数料等を取る、と言う事案も散見されます。
自称コンサルタント等に言われてしたことであるという理由で不正受給の制裁対象から逃れることはできません。人に言われてやったことであっても、真実と異なるとわかりつつ申請した場合、当然、会社の責任となります。
このような場合、悪質な犯罪者である自称コンサルタントを摘発するために会社に対しても厳しい調査が行われることがあるため、至急対応をとる必要があります。

自社の受給に疑問があり、適切に対応したい経営者の方へ

厚生労働省が対応強化すると言っている上、不正受給をしている会社全てに発覚の危険があります。
また、わざとではなく誤って不適切な申請をしてしまった場合あっても、調査されるまで何もせずに放っておけば、不正受給ではないかと疑われる可能性があります。

自社の受給に疑問がある方は、申請が正しかったのか正しくなかったのか、どの部分がどのように正しくなかったのか、なぜそのようなことが起きたのか、などを調査した上で労働局にご報告することをお勧めします。

上原総合法律事務所では、「既にしてしまった不正受給や不適切な申請について適切な対応をするために最善の方策を取りたい」という経営者の方からご相談をお受けしております。
迅速にご相談をお受けできる体制を整えていますので、お気軽にご相談ください。

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※事案の性質等によってはご相談をお受けできない場合もございますので、是非一度お問い合わせください。

上原総合法律事務所にご相談いただく際の流れはこちらの記事をご参照ください。

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雇用調整助成金不正受給や制裁の詳細について知りたい方はこちらをご覧ください。

不正受給に関与してしまってお困りの専門家の方はこちらをご覧ください。

弁護士 上原 幹男

弁護士 上原 幹男

第二東京弁護士会所属

この記事の監修者:弁護士 上原 幹男

司法修習後、検事任官(東京地方検察庁、奈良地方検察庁等)。検事退官後、都内法律事務所にて弁護士としての経験を経て、個人事務所を開設。 2021年に弁護士法人化し、現在、新宿事務所の他横浜・立川にも展開している。元検事(ヤメ検)の経験を活かした弁護活動をおこなっている。

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