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雇用調整助成金の不正受給・詐欺に関わってしまった方へ

(2021年6月28日更新)

1 雇用調整助成金制度とは

コロナ禍のなかで政府による緊急対応として雇用調整助成金制度(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例。以下単に「特例雇用調整助成金」と言います。)が作られましたが、この特例雇用調整助成金に関する不正についての報道がされています。

弊事務所でも、このようなコロナ禍における助成金を不正受給した方・会社やその周囲の方からのお問い合わせを多数いただいております。

特例雇用調整助成金は、コロナ禍以前から存在していた雇用調整助成金の特例で「新型コロナウイルス感染症の影響」により、「事業活動の縮小」を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を図るために、「労使間の協定」に基づき、「雇用調整(休業)」を実施する事業主に対して、休業手当などの一部を助成するものです。

特例雇用調整助成金は、従業員を休業させたり出向させた場合に受給できます。

特例措置により、助成率および上限額の引き上げがなされており、一人1日1万5000円を上限額として、労働者へ支払う休業手当等のうち最大10/10が助成されます(教育訓練を実施した場合は更に、教育訓練を受けた労働者一人につき日額最大2400円が加算されます)。

 

2 雇用調整助成金の不正受給・詐欺とは

雇用調整助成金は、休業等した実績に基づいて会社が支給申請し、労働局の審査を経て支給決定がなされます。

この申請において、例えば従業員を休業させていないのにもかかわらず休業したことにして虚偽の支給申請をした場合、不正受給となります。

実は、雇用調整助成金については、コロナ禍の前から不正受給が存在しました。

そして、今、特例雇用調整助成金についての不正受給が問題となっています。

それはなぜでしょうか。

コロナ禍の混乱の中で、たくさんの会社が経営危機に陥りました。

政府は、そのような会社に生き延びてもらうため、特例雇用調整助成金制度を作り、助成率および上限額を引き上げました。

まず、特例雇用調整助成金は、コロナ禍で緊急に資金が必要な多量の会社を助けるため、申請方法・審査方法を大幅に簡易化しました。その中で、本来であれば助成金が受給できない誤った申請についても、申請の誤りが看過され、助成金が支給されました。

また、コロナ禍で危機に陥った会社の中には、嘘をついてでも休業させたことにしてお金をもらって生き延びたい、と思った方もいます。不正受給がいけないことは言うまでもありませんが、コロナ禍の混乱の中で、大切な従業員を露頭に迷わせるくらいなら不正をしてでも会社を生き延びさせたい、という苦しみは理解することができます。

さらには、そのような会社の心の隙をつき、会社に不正受給を勧める自称コンサルタントも発生しました。

不正受給を申請してしまった方の中には、はじめは「大丈夫なのかな。」と思ったけれども、他人から「大丈夫です。」「みんなやっています。」「とりあえず通るかやってみましょう。」「受給できますよ。」などと言われて申請してしまった方もいます。

このように他人にそそのかされていたとしても、内容虚偽の申請をして助成金を得た場合には、不正受給となってしまいます。

そして、このような不正受給については、嘘を言って人を騙してお金を得たとなれば、詐欺罪に該当します。

 

3 雇用調整助成金の不正受給・詐欺発覚の経緯

 雇用調整助成金の不正受給・詐欺は、主に以下のパターンで発覚します。

(1)労働局の調査により発覚

労働局が調査をして不正が発覚することがあります。コロナ禍の特例に基づく助成金の不正受給が多発したため、労働局は調査を強化しています。

(2)従業員による申告により発覚

不正受給を知っている従業員が不安に思って警察や労働局に申告することがあります。

(3)自称コンサルタント経由の発覚

雇用調整助成金の不正受給・詐欺を主導していた自称コンサルタントが逮捕され、その自称コンサルタントが取調べにおいて不正受給した会社名を捜査機関に伝え、発覚することがあります。

 

4 雇用調整助成金の不正受給・詐欺が発覚した場合どうなるか

(1)返金義務

不正受給となった場合、利息等を付加した金額を返金する必要があります。具体的には、①不正受給により返還を求められた額、②不受給の翌日から納付の日まで、年5%の割合で算定した延滞金、③不正受給により返還を求められた額の20%に相当する額の合計額の納付を返金する必要が生じます。

(2)助成金を受けられなくなる

3年間は雇用保険2事業を財源とする助成金(ハローワークで扱うほぼすべての助成金)が受給できなくなります。

(3)公表

不正受給をした事業者名等が公表されることがあります。

(4)刑事告発

労働局による調査の結果不正受給が悪質だと判断された場合、刑事告発されることがあります。

刑事告発された場合、雇用調整助成金を騙し取った詐欺事件として、詐欺に関わった人は逮捕される可能性があります。具体的には、不正受給することを決めた経営者や、不正だとわかりつつ申請した申請担当者が逮捕される可能性があります。

逮捕される場合、事前に連絡があって取調べがなされた後に逮捕されることもありますが、事前に何の連絡もなく突然捜査官が現れて逮捕されることもあります。

また、会社に突然捜査官がやってきて会社内を捜索され、証拠を差し押さえられることもあります。

 

5 雇用調整助成金の不正受給・詐欺をしてしまった場合、どうすれば良いか

(1)労働局・会計検査院対応

多くの方は、労働局や会計検査院の調査が来たけれどもどう対応すれば良いか、として上原総合法律事務所にご相談いただきます。
調査を拒否することは雇用保険法違反になる可能性があるため、調査に対応することが必要となります。

ご相談いただく方の中には、誤って多すぎる金額を受給してしまった方もいますし、架空の労働者を休業させたことにしたりして不正に受給した方もいます。みなさん、本来よりも多い額を受給してしまった理由があります。

専門家の目から見れば、どんな不正受給でも、それぞれの事情があってやったことですので、酌むべき事情があります。

労働局や会計検査院の調査に対しては、誠実に対応するとともに、そのような有利な事情を正確に伝え、理解してもらう必要があります。誤って(わざとではなく)多すぎる金額を受給した方は、不正ではなく誤ったのだということを理解してもらうために説明する必要があります。わざと不正受給した方も、そのようなことをした理由があるはずですので、不正受給しようと思ってしまった事情を理解してもらうべきです。

ですが、依頼者には「誤った受給をしてしまった」「不正受給をしてしまった」という負い目がありますし、専門的知識もありませんから、労働局などの調査に対して正確に事情を伝えることは容易ではありません。また、労働局や会計検査院は、不正を疑って調査していますので、会社の方の説明をそのまま受け入れてくれるとも限りません。

上原総合法律事務所では、このような依頼者のために、事案を精査し、どのように調査に対応するかのご相談をお受けしております。ご依頼があれば、全国どこでも、労働局などの調査に同席し、依頼者と一緒に労働局などの調査で事情を説明しています。

【労働局,会計検査院から連絡が来る前のご相談】

 労働局や会計検査院から調査の連絡が来ていないけれど、誤って多すぎる金額を受給してしまった、誤った申請をしてしまったかもしれないなどの不安な気持ちを抱え、弊所にご相談をいただくことがあります。

 弊所にご依頼いただいた場合、まず、早急に事案を精査させていただき、労働局から不正受給と判断される可能性がある事案か、それとも過誤受給で済む事案かなどの検討をいたします。その後、弊所弁護士より、労働局に対して、事案の説明や今後の手続き等について説明をしてまいります。

過去の事例で、労働局等の調査が入る前にご相談をいただき、早急に事案を精査した上で、弊所から労働局に事情及び誤った申請であった旨報告することにより、支給額を返金することをもって、労働局等からの調査、公表、刑事告訴を避けることができたという事案があります。

【労働局、会計検査院が調査に来る時のご相談】

弊所にご依頼いただいた場合、労働局や会計検査院の調査に先立ち、事情を伺うとともに資料等を提出していただいて早急に事案を精査いたします。

その後、労働局や会計検査院の調査を迎えますが、ご依頼があれば、弁護士が、日本全国どこでも労働局等の調査に同席いたします。調査に際しては、労働局等の職員の方々はあくまで不正調査をする関係上、「不正かもしれない」という疑いを持っています。そこで、弊所の弁護士が、事前調査で得られた正しい情報を労働局等に示し、「陳述書」(助成金を過誤受給等した経緯に関する書面)が作成される場合にはその内容についても、真実と異なる記載がないか確認するなどの調査対応をいたします。こういった対応をすることで、依頼者様が必要以上に厳しい追及を受けず、かつ、最終的に妥当な結論に導くサポートをすることができます。

その後、労働局等からの追加の資料提供依頼等に応えるべく、事案・資料整理、報告書作成等、諸々の対応について弊所において行います。
依頼者の方にも資料提供等の協力をしていただき、事案の解明・説明を行い、真実を伝えるべく尽力いたします。

(2)捜査機関対応

雇用調整助成金の不正受給・詐欺をした方に最も大きな不利益が、逮捕・捜索という強制手続です。

雇用調整助成金の不正受給・詐欺をした方は、現在、逮捕されるのか、いつ逮捕されるのか、ということに不安を持っていると思います。

事案によっては、労働局が刑事告発をすることがあり得ます。

そのような方については、自ら捜査機関に事件を申告する「自首」をするという手段があります。

自首をすれば、事件は確実に捜査機関に把握されますが、自首しない場合に比べて情状は良くなりますし、逮捕される可能性も下がります。また、弁護士経由で捜査状況を捜査機関に確認できます。

 

自首について

上原総合法律事務所による自首サポートについて

 

(3)再発予防策策定

労働局対応や捜査機関対応が整ってきたら、次は会社内の再発予防策を講じる必要があります。

不正受給をして調査を受けている、というのはとても大変な事態で、会社の危機です。良い思いをするものではなく、眠れない日々を過ごしている方もたくさんいらっしゃいます。しかし、このような会社の危機すらも成長の糧とし、会社の業務の適正化を図る機会とすることができるならば、会社は危機を乗り越えて大きく飛躍することができる、と上原総合法律事務所は考えます。

雇用調整助成金の不正受給・詐欺といった不正の内容とは別に、なぜこのような不正が起きてしまったか、どのようにすれば今後不正が起きないか、を考える必要があります。そして、もう不正をしない、という決意をするだけでなく、不正を防ぐ仕組みを作る必要があります。

不正を防ぐ仕組みを作っておくことにより情状が良くなり、捜査機関の処分においても考慮してもらえることが期待できます。

6 申請の取下げをしたい時

申請の取下げをしたい時

助成金の申請をしたものの、訳あって申請を取り下げたいという方もいらっしゃると思います。
取下げをする場合、助成金の申請の取下げを管轄の労働局長に申し出る必要があります。
その際は、労働局に対して申請を取り下げたい旨及び取り下げたい理由を伝えることになります(書面等の提出を求められる場合もあります)。
ただし、不正受給は「偽りその他の不正行為により、本来受けることのできない助成金の支給を受けたり、受けようとすること」とされているため,取下げが認められたとしても、助成金の支給を受けようとしたということで、不正受給として扱われる可能性を完全には否定できません。
そのため、取下げが認められた場合であっても、取り下げた日から3年間、雇用保険料を財源とする助成金等が支給されないというペナルティを課される場合がありますので注意が必要です。
このような事態を可能な限り防ぐためには、労働局に対し、「助成金の申請に至った経緯や理由」や「助成金の申請を取り下げるに至った経緯や理由」を正確に説明し、正しく理解してもらうことが極めて重要です。
しかし、以下のとおり、そもそも、労働局から申請の取下げを認めてもらえないケースもあります。

※ 助成金の申請を行って支給の決定及び実際に支給がされた状態の方は,「5 雇用調整助成金の不正受給・詐欺をしてしまった場合、どうすれば良いか」の【労働局,会計検査院から連絡が来る前のご相談】をご覧ください。

取下げを認めてもらえなかった場合

助成金の申請の取下げを希望しても労働局に認めてもらえないケースでは、多くの場合、申請者に対する労働局の調査が入り、その結果,悪質な事案と判断された場合には、企業名を公表されたり、刑事告発されて刑事手続に発展するリスクがあるため、早急に対応する必要があります。
公表や刑事事件化のリスクを可能な限り軽減させるためには、労働局に対して、助成金の申請に至った経緯や理由を正確に説明し、背景事情をも含めた事案の全容を正しく理解してもらうことが極めて重要です。
不正受給をしてしまった人の中には、「知人」や「SNSで知り合った人」から、「誰でも給付金がもらえる」「弁護士や社労士がいるから安全・合法」「不安になったら取り下げもできる」などと言われ,不正受給ではないとだまされて申請してしまった方が多数おられます。また、そのようなケースでは、助成金の申請を勧めてきた者に対し,事前に手数料を払っていたり、助成金が支給された後にも多額の手数料を払っているといった、いわば「詐欺の被害者」のような方もいらっしゃいます。
このように、不正受給であることをよく分からないまま申請してしまった場合や,詐欺の被害者的な側面がある場合には,寛大な処分がなされる余地が出てくると考えられますが、これらの事情を労働局に正確に説明するためには,申請に関連する各種書類や、申請を勧めてきた人物とのメール・LINE履歴等の精査、通話履歴の入手、通話内容の記録化など入念な事実調査と事前準備が必要です。

過去の事例で、助成金を申請した後に取り下げを希望したものの労働局に取り下げを認めてもらえなかったということでご相談をいただき、早急に事案及び資料の精査を行い、労働局に赴いて事情等を報告することにより、助成金の申請は不支給決定となり、少額だったこと、受給前の未遂であったことなどから、公表、刑事事件化を避けることができたという事案があります。

 

7 雇用調整助成金の不正受給・詐欺に関するご相談は上原総合法律事務所へ

上原総合法律事務所では、雇用調整助成金の不正受給・詐欺案件に力を入れています。

雇用調整助成金の不正受給・詐欺案件でご相談をなさる方は、どうして良いのかわからなく、不安なのでご相談をしたい、と思っていることでしょう。上原総合法律事務所は、ご相談者のご不安をできるだけ早く解消するため、なるべく即日、遅くとも翌日と、迅速にご相談をお受けすることを心がけています。

上原総合法律事務所では不正受給事案のご相談を多数お受けしておりますので、豊富な対応ノウハウがございます。

個別の事情を伺い、適切な対応をご案内いたします。

また、上原総合法律事務所は、会計事務所及び社会保険労務士事務所を併設しています。

ワンストップサービスとして、法律事務所のみではできないアドバイスを提供することも可能です。

コロナ関連助成金等サポートパック

「労働局の対応をどうしたらいいか分からない」
「会計検査院の対応をどうしたらいいか分からない」
「警察が来てしまった場合」

雇用調整助成金の不正受給・詐欺に関して以上のようなお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

事案確認(15分) 無料
有料相談     2万5000円

事案調査費用   35万2000円
労働局対応着手金 44万円
成功報酬
公表及び刑事告訴を避けられた場合 77万円
刑事告訴を避けられた場合  55万円
※不正受給に該当しないとの判断となり追加の納付命令(加重金)等が避けられた場合の成功報酬については,ご相談時に個別にご案内いたします

顧問契約締結(月額10万円以上のプラン)の場合,成功報酬から22万円減額。

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2021年4月3日(土)代表弁護士上原が雇用調整助成金詐欺についてNHKスペシャルに取り上げられました

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