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弁護士による接見とは?面会との違いや差し入れについて元検事の弁護士が詳しく解説


家族などの大切な方が刑事事件で逮捕されたと知った方は、「この先どうなるのだろう」、「どうしたら良いのか」と考えます。

しかし、ご家族は、事件の具体的な内容も、逮捕されている方が何を望んでいるのかも、分からないことが多いです。

この先どうしていくのか考えるためには、逮捕された方から話を聞き、事件の内容や言い分を知るとともに、逮捕されている方が事件についてどうしてほしいのかを知る必要があります。

ところが、逮捕直後は、ご家族であっても本人と面会できません。逮捕直後は、弁護士しか面会(接見)できないのです。

家族などの大切な方が刑事事件で逮捕された場合、まず、なるべく早期に弁護士が接見に行き、刑事事件で逮捕されているご本人から

・事件の内容
・刑事事件について今後どうしたいのか

などの情報を得る必要があります。

1 弁護士の接見とは?

逮捕・勾留されている人と面会することを接見といいます。

接見は、テレビドラマなどで表現されているように、 穴のあいた透明な板越しに話をします。

ところが、刑事事件で逮捕されている方については、ご家族・恋人・ 職場の方などであっても自由に面会することはできません。

特に、逮捕当初は、勾留決定されるまでの約3日程度は面会が認められないことがほとんどです。

勾留後も平日の日中しか面会が認められませんし、日中に取調べや現場検証などで逮捕されている方が他のことをしていたら、その日は面会できません。

ですが、弁護士は勾留決定されるまでの間も、土日も、 夜間も、刑事事件で逮捕されている方と接見することができます。(刑事訴訟法39条1項)

これは、 刑事事件で逮捕されている方が、 捜査機関という強大な権力に身柄拘束されている状態で防御するために認められていることです。

刑訴法第39条第1項

身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(中略)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができるとする。


弁護士は、法律の専門家で唯一、刑事事件で逮捕されている方の味方の立場の人間です。

そのため、弁護士には、刑事事件で逮捕されている方と接見をする特別な立場を与えられているのです。

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2 接見と一般面会との違い

弁護士の接見と一般 面会は以下のように多数の違いがあります。

(1)接見できる時期

 弁護士は逮捕直後から留置場や拘置所で接見することができます。

 一般の方は、勾留決定後(通常逮捕から数日後)から面会することができます。

(2)時間制限

 弁護士が接見できる時間に制限はありません。

 必要があれば何時間でも接見することができます。

 一般の方は1回あたり20分までなどと言う時間制限があります。

(3)警察官の立ち合い

 弁護士の接見には誰も立ち会いません。
 これを秘密接見といいます。

 秘密接見により、被疑者・被告人は、弁護士に事件について包み隠さずに話をし、どうすれば良いのか相談することができます。

 これに対して、一般の方は警察官が立ち会う中で面会することになります。

(4)接見できる時刻

 弁護士は24時間365日面会接見することができる。

 一般の方は、平日日中しか面会できません。

 また、被疑者・被告人が現場検証などで捜査のため、留置施設を離れている場合、平日であっても面会することができません。

(5)回数制限

 弁護士の接見に回数制限はなく、1日に何回でも接見することができます。

 一般の方は方の面会は、交流されている被疑者被告人から見て1日に1回しか面会できません。

 そのため、せっかく面会しに行っても、他の人が先に面会してしまったら、その日は、面会することができません。

(6)接見禁止

 弁護士の接見が禁止される事はありません。

 一般の方については、事案によっては裁判官が接見禁止という決定をすることがあり、この場合、一般の方は接見することができません。

 接見禁止決定は、接見によって口裏合わせをするなどして証拠隠滅する恐れがある、といった場合になされます。

 ご家族が事件に無関係の場合には、接見禁止決定がなされていても、弁護士が接見禁止一部解除の申し立てをすることで、ご家族が接見できるようになることがあります。

3 初回接見の重要性

特に、刑事事件で逮捕されている方に弁護士が初めて接見するタイミング(初回接見といいます。)はとても大切です。

逮捕された直後は、逮捕された方が動揺していたり、逮捕が初めてで何がなんなのか分からないことも少なくありません。

そのような状態において、逮捕されている方の意に反する書面が作成されたり、逮捕されている方が混乱して真実ではないことを警察官に話してしまったりします。

これらを避けるため、なるべく早く弁護士が接見し、どのような事件だったのかを聞くと共に、逮捕されている方に刑事事件の流れを説明したり、刑事事件においてはどのようなことを注意しなければいけないかを説明する必要があります。

そのため、警察官や検察官は、初回接見に弁護士がやってきた場合、取調べを中断するなどしてなるべく早く接見させる義務があります。

4 弁護士の接見で行うこと

弁護士は接見で 、 刑事手続において被疑者・被告人のために必要なあらゆることをします。

取調べの状況を聞いて

・事件の見通しを立てる
・弁護方針と獲得目標を決める
・取調べにどのように対応するかのアドバイス

などをします。

特に身柄拘束されている場合は状況が素早く変わっていくため、 臨機応変な対応が必要になります。

取調べでの話の中で、どんな 証拠が収集されているのかわかることがあり、そのような場合には必要に応じて、対応を修正します。

身柄拘束されていると精神的にとても追い詰められるので、 接見で励まし、 精神的な支えになることも 弁護士の重要な役割です。 

特に、逮捕されてから10日以上が経つと、 急激に精神的に負担がかかることがあり、 その時期に弁護士が接見に行くことも重要です。

また、接見禁止がついている場合には家族との橋渡しをすることもありますし、 身柄拘束されている方が ビジネスマンであれば 業務上の伝言をすることもあります。

※  証拠隠滅につながるようなことはできません。

5 接見費用について

身柄拘束されている人が希望すれば、「当番弁護士」や「 国選弁護人」が無料で接見に行きます。

当番弁護士というのは 弁護士会が派遣する弁護士のことで、 1回だけ無料で弁護士が接見に行きます。

国選弁護人というのは、勾留された後に裁判所が選任する弁護人です。

担当する弁護士を自分で決める場合、「私選弁護人」 となり、弁護士費用がかかります。

費用がかかりますが、 逮捕直後から接見に行ってもらえることができますし、 必要な回数だけ接見に行ってもらうことができます。

6 ご家族の差し入れ

ご家族が逮捕された方は、服などを差し入れたいと考えます。

逮捕・ 勾留されている方に対しては、本や服などを差し入れることができます。

また、お金も差し入れることができ、お金があれば留置所の中で買い物することができます。

ただ、本や服などは全てのものを差し入れられるわけではありません。

本は書き込み等のない新品のものであることが求められますし、 服などについては紐がついていないものであるなど、留置施設管理上の細かい規定があります。

規定に合致していないものはせっかく持って行っても差し入れることができません。

警察署によっても取り扱いが違うので、差し入れをする前に警察署に連絡して確認することをお勧めします。

7 上原総合法律事務所の初回接見

上原総合法律事務所は元検事の弁護士8名(2024年10月現在)が中心となって刑事事件の弁護活動をしています。

 元検事としての経験上、警察・検察という捜査機関の行動を熟知しており、初回接見を急ぐことの重要性をとても強く感じています。

 そのため、 ご相談をいただいた事件については、ご相談当日の可能な限り早いタイミングで接見に行きます(※弁護士の繁忙状況によります)。

また、これまでお伝えしたように初回接見を早くすることはとても大切ですので、お住まいが遠方で契約手続きをするのに時間がかかったり、ご本人が弁護士をつけたがるか分からないという場合には、継続的な弁護活動のご契約前に初回接見を先行させることもお受けいたします。

ご家族が刑事事件で逮捕されている方は遠慮なくご相談ください。

電話番号

新宿オフィス:03-6276-5513

横浜オフィス:045-628-9650

立川オフィス:042-518-9480


接見を先行させる場合の費用は税込55,000円(東京23区内・横浜市内)
です。
その他地域についても遠方含め全国対応しております。

お問い合わせ先はこちら

■LINEでのお問い合わせはこちら
■メールでのお問い合わせはこちら
※事案の性質等によってはご相談をお受けできない場合もございますので、是非一度お問い合わせください。

家族などの大切な人が逮捕されたらどうすればよいのかについてはこちらをご覧ください。

刑事事件の流れについてはこちらをご覧ください。

 

弁護士 上原 幹男

弁護士 上原 幹男

第二東京弁護士会所属

この記事の監修者:弁護士 上原 幹男

司法修習後、検事任官(東京地方検察庁、奈良地方検察庁等)。検事退官後、都内法律事務所にて弁護士としての経験を経て、個人事務所を開設。 2021年に弁護士法人化し、現在、新宿事務所の他横浜・立川にも展開している。元検事(ヤメ検)の経験を活かした弁護活動をおこなっている。

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