窃盗(クレプトマニア・窃盗症):多数回にわたる万引きが立件なし
依頼者 30代 女性
職業 主婦
罪名 窃盗
被害金額 数十万円
回数 20−50回
結果 示談成立、立件なし
本件は、衣料品店や化粧品店で万引きを繰り返してしまっていた主婦の方が、とある店舗で捕まった、と言う事案です。
捕まった事件以外にもたくさんの万引きをしているため、これらについてどうして良いのかわからないということでご相談いたしました。
ご本人は、ご主人と一緒に来所し、ご相談いただきました。
万引きは直近2−3ヶ月の間に数回したということでしたので,すべての万引きについて被害品をお返ししたり買取したりすることで誠実に対応して示談し、なるべく軽い処分を得るという方針を策定しました。
初回のご相談時には、万引きをしたのは数回だけだと言うお話でした。
ですが、弁護士の感覚としては、なんとなく,お話や手口に対して万引きの回数が少なすぎるようにも感じました。
ご家族と一緒にご相談にいらした場合、相談者が家族に遠慮して本当のことを言えないことがたくさんあります。しかし、余罪がたくさんあるのに弁護士がそのことを把握できなければ、ベストの弁護活動ができません。
そのため、念のため、ご本人お一人でご来所いただき、本当のところをお聞きしました。そうしたところ、実は、1-2年ほど前から、何十回も万引きをしているということがわかりました。
そして、いつどこで何を万引きしたかも全ては覚えていないと言うことでしたので、わかる範囲で被害弁償し、示談してことにしました。
また、この方には万引きの癖がついてしまっている事は明らかでしたので、専門の治療を行っている病院に行くことをお勧めしました。診察の結果、クレプトマニアと診断されて、定期的に通院することとなりました。
これらの経過は、すべて警察官にも説明しました。
ご本人としては、たくさんの万引きをした事実を警察官に全て説明することをとてもためらいましたが、最終的に「もう二度と万引きをしない」と決意するために全てを話すことにしました。
また、この方はとても真剣に治療にも取り組んでいましたので、治療の経過やそれによるご本人の考えの変化をご本人の口から説明してきました。
さらに、把握できているすべての被害店舗に被害弁償をしたため、これらのことも伝えました。
そうしたところ、担当警察官にもこの方の心からの反省と誠意ある対応を理解してもらうことができ、最終的に今回の事件は検察官に送致もせず、始末書扱いで終わりにしてもらうことができました。
はじめはご家族にも言うことができなかった多量の万引きを、最終的には勇気を出して警察官にも伝え、結果として立件すらしないでもらえたのは、この方の誠意と勇気の素晴らしい成果だと考えています。
ただ、本件の本当のゴールはそこではありません。この方にはすでに万引きの癖がついてしまっているため、この先の長い人生でもう二度と万引きをせずに暮らしていくのは、そう簡単ではありません。
そのため、この方には、病院がもう来なくていいと言うまでしっかりと通院し続けてもらうことを繰り返しお伝えしました。
また、ご主人にも、長期にわたってしっかりと治療し続けていくように、サポートをお願いしました。
上原総合法律事務所としても、定期的にご連絡をさせていただいています。
この方に限らず、窃盗症(クレプトマニア)の方やそのご家族は、万引きをやめたいのにやめられず、心から苦しんでいます。
上原総合法律事務所は、依存症の結果として犯罪を犯してしまった方については、刑事事件を解決するだけがゴールではなく、依頼者が刑事事件終了後も無事に過ごしていくことを心から願っています。
上原総合法律事務所では、迅速にご相談をお受けできる体制を整えています。万引きをしてしまった方、家族が万引きを繰り返している方など、万引きで悩んでいる方は、遠慮なくご相談ください。
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