名誉棄損の解決事例(告訴権者への自首により、告訴・刑事事件化を回避した事例)

その他
[投稿日]

依頼者:Aさん 30代 男性
罪名:名誉棄損
結果:名誉棄損の犯罪をしてしまうも、告訴権者への自首(刑法42条2項)を行い、告訴・刑事事件化を回避

事案の概要

本件は、Aさんがかつての勤務先の取締役X氏の名誉を棄損するような内容の手紙を複数作成し元勤務先の取引先等に送付をしたという名誉棄損の事案でした。

Aさんは、手紙を送付した後、元勤務先においてこの手紙が大きな問題になっていることを知り、刑事事件対応を念頭に弊所にご相談いただきました。

初回相談をいただいた時点では、捜査機関などからAさんに対する接触等はなく、元勤務先の内部情報によると、X氏においても、犯人が誰なのかまだ特定されていないという状況とのことでした。

弁護活動

本件は、Aさんとご相談の上、告訴権者であるX氏に対して自首することとしました(※自首というのは捜査機関に対してするものというイメージがあるかもしれませんが、親告罪である名誉棄損罪は「告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだね」た場合であっても自首(広義の自首)となります(刑法第42条第2項,同条第1項))。

また、捜査機関による捜査に備えて、犯行に至る経緯や動機などAさんの情状に関する事実を記載した書面の作成や身元引受人の確保などを行い、仮に本件が立件されたとしても、不起訴処分を得られるように準備をしました。

最終的には、自首したことにより被害者の溜飲が下がったのか、告訴されることもなく、刑事事件化を回避することができました。

弁護士のコメント

本件は、Aさんの意向である「刑事事件化の回避、刑事事件化してしまった場合の不起訴の獲得」を実現するための方法として、告訴権者に対する自首を選択しました

本来、自首とは刑事訴訟における刑の減軽の制度ですから、自首をしたからと言って処罰を免れるとは限らず、警察が捜査をしなくなるとか起訴されないという効果があるわけではありません。

しかし、自首の有無は、検察官が事件の最終処分をする際、その判断に少なくない影響を与えるため、犯罪事実が認められる中で不起訴を獲得するというのが大きな目標となる場合、自首をすることは非常に有効な手段となりえるのです。

また、そもそもまだ告訴や刑事事件として立件されていないという段階では、被害者等に対して自主的な申告や謝罪をすることで示談等に繋がり刑事事件化を回避できることもありますし、親告罪について告訴権者を相手に行う場合であれば、広義の自首ともなりえます。

もちろん「犯人が誰であるか分かっていない」という状況であれば、自首をせずに黙っていれば、犯人の特定や犯罪事実の立証が困難なままで終わり、立件や起訴等に繋がらない可能性もある以上、自首するか否かは慎重に検討する必要があります。

とはいえ、「発覚しない可能性」「被害申告がされない可能性」に賭けて何もせずに待つという選択肢がベストとは限りませんし、いつ逮捕や警察の呼出しがあるか分からないという不安や良心の呵責といった精神的負担が続いていくという面もあります。

本件では明らかに名誉棄損の事実が認められる事案で、かつ捜査機関により本格的に捜査が行われれば、A氏の犯行であるということが容易に判明しうる事案であったことも踏まえ、告訴権者に対する自首という選択をし、それが奏功しました。

※一般的な自首については自首したいの記事もご参照ください。

上原総合法律事務所では、元検事の弁護士が、検察官として多数の刑事事件の捜査・裁判に従事してきた知識や経験に基づいて、的確に見通しを立て事案やご依頼者様のご意向に応じた最良の弁護活動をさせていただきます。

自分のしたことが犯罪に当たるのか、どのように対応するのが最善なのかなど、刑事事件でお悩みの方は是非一度弊所にご相談ください。

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