リベンジポルノ防止法とは?逮捕されるケースも?罰則や刑事事件の流れ等について元検事の弁護士が解説

現代社会の刑事事件
[投稿日]
弁護士 上原 幹男

弁護士 上原 幹男

第二東京弁護士会所属

この記事の監修者:弁護士 上原 幹男

司法修習後、検事任官(東京地方検察庁、奈良地方検察庁等)。検事退官後、都内法律事務所にて弁護士としての経験を経て、個人事務所を開設。 2021年に弁護士法人化し、現在、新宿事務所の他横浜・立川にも展開している。元検事(ヤメ検)の経験を活かした弁護活動をおこなっている。

SNSやスマートフォンの普及により、個人の画像や動画が簡単に拡散されうる時代になりました。

その一方で、元交際相手への腹いせや感情的な行動として、性的な画像・動画を公開してしまい、「リベンジポルノ」で逮捕される事件が後を絶ちません。

⚠️「一度くらいなら大丈夫だと思った」

⚠️「拡散するとは思っておらず、バレないと思っていた」

⚠️「削除すれば済むと思っていた」

こうした弁解は刑事事件では通用しません。

本記事では、元検事(ヤメ検)の弁護士の立場から、罰則をはじめとしたリベンジポルノ防止法の内容リベンジポルノで逮捕されるケース逮捕後の流れリスク、弁護活動、被害に遭った場合の対処法まで分かりやすく解説します。

第1 リベンジポルノ防止法とは

いわゆるリベンジポルノとは、元配偶者や元交際相手などの性的画像や動画を、復讐や嫌がらせ目的で、被撮影者の同意なしに公表する行為を指すのが一般的です。

そしてこのような行為を規制すべき制定されたのが「リベンジポルノ防止法」です。

リベンジポルノ防止法の正式名称は「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」といいます。

リベンジポルノは、被撮影者の私生活の平穏等を著しく侵害する行為ですので、法律で厳しく規制されているのです。

リベンジポルノ防止法で主に規制の対象となっているのは「私事性的画像記録」です。

「私事性的画像記録」はリベンジポルノ防止法では以下のように定義されています。

第二条 この法律において「私事性的画像記録」とは、次の各号のいずれかに掲げる人の姿態が撮影された画像(撮影の対象とされた者(以下「撮影対象者」という。)において、撮影をした者、撮影対象者及び撮影対象者から提供を受けた者以外の者(次条第一項において「第三者」という。)が閲覧することを認識した上で、任意に撮影を承諾し又は撮影をしたものを除く。次項において同じ。)に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。同項において同じ。)その他の記録をいう。
一 性交又は性交類似行為に係る人の姿態
二 他人が人の性器等(性器、肛こう門又は乳首をいう。以下この号及び次号において同じ。)を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

やや複雑ですが、おおまかにいえば「性的な姿態や性器、性的な部位等が撮影された画像記録であり、撮影対象者が第三者に見られることを認識・承諾して撮影されたものでないもの」を言います。

性的な画像記録であっても、撮影当初から第三者に見られることを前提とした画像や動画(いわゆるAVや商業用の映像制作物等)は、私事性的画像記録には含まれず、リベンジポルノ防止法の規制対象ではありません。

「私事性的画像記録」は電磁的記録等、平たく言えばデータですが、それを記録したUSBやDVD等の記録媒体、印刷した写真等も「私事性的画像記録物」として規制対象となります。

第2 リベンジポルノに該当する行為や罰則

リベンジポルノ防止法では、私事性的画像記録や私事性的画像記録物を不特定又は多数の者に提供する行為(公表)や公表目的で提供する行為(公表目的提供)を処罰の対象としています。

条文は以下のとおりです。

(私事性的画像記録提供等)
第三条 第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定又は多数の者に提供した者は、三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
2 前項の方法で、私事性的画像記録物を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者も、同項と同様とする。
3 前二項の行為をさせる目的で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を提供し、又は私事性的画像記録物を提供した者は、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
4 前三項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
5 第一項から第三項までの罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三条の例に従う。

公表罪の典型は、元交際相手や元配偶者との性交を記録した動画や裸・下着姿の画像を、SNSやインターネット掲示板などに投稿する行為です。
「リベンジポルノ」と聞いて真っ先に思い浮かぶような類型かと思います。

ただ、公表罪は不特定の者を相手とする場合でなくとも、「多数の者」への提供であれば成立するところ、仲間内のLINEグループでの共有やある程度の人数にメールするといった方法でも成立する可能性があります。

「公表」の方法としては「第三者が撮影対象者を特定することができる方法で」と定められており、私事性的画像記録それ自体から誰であるかが分かる場合や、画像や動画に氏名等の情報が加えられている場合などがこれに当たりうると考えられます。なお、インターネットへの投稿だけでなく、紙に印刷された写真等を配布するなどした場合も処罰の対象となりえます。

公表目的提供罪は、公表罪と比較すれば珍しい事例と思われますが、インターネットを通じて拡散させる目的で、少数の相手に性的な画像を提供する行為が挙げられます。
自分の手は汚さないように拡散させよう、といった行為も厳しく規制されている内容となっています。

なお、公表の方法や内容によっては、わいせつ物頒布等や名誉棄損の罪も成立することがあるほか、児童ポルノに該当するものであれば児童ポルノ禁止法違反が成立しうるなど、リベンジポルノ防止法違反以外の犯罪が成立する可能性もあります。

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第3 リベンジポルノで逮捕されるケースとは

リベンジポルノ防止法違反事件では、被害者からの被害届や相談をきっかけに捜査が始まるケースが大半と考えられます。

そして、警察は、インターネットへの投稿に関するログなどを調査し、公開・送信した人物を特定します。

匿名アカウントで投稿していても、IPアドレスや端末情報等から身元が特定されることは珍しくありません。

その中で、逮捕に至るのは、①逃亡のおそれ②罪証隠滅のおそれがある事案であり、一概に特定することはできません。

逮捕の要件については下記の記事も参考にしてください。

逮捕されたくない|上原総合法律事務所

リベンジポルノ防止法違反事件でいうと

  • 繰り返し投稿や送信を行っている
  • 画像や動画が広範囲に拡散している
  • 被害者側からの削除要請に応じず、行為を継続している
  • 警察からの呼び出しに応じない

などの事情がある場合には、逮捕される可能性が高いと言えるでしょう。

リベンジポルノの場合、基本的には被疑者は被撮影者のことを知っており、かつ恨みなどの感情を抱いていることも少なくないため、被撮影者を脅すなどといった罪証隠滅行為が懸念され、逮捕に至るといったケースも多いのではないかと想定されます。

第4 逮捕後の流れと法的手続き

逮捕されると、まず警察署に身柄を拘束され、取調べを受けることになります。
その後、検察に送致され、勾留されるかどうかが判断されます。

勾留が認められた場合、最長でそこから20日、身柄拘束が続く可能性があります。
この間、会社や学校に行くことはできず、周囲に事件が知られてしまうリスクは高まることとなります。

そして、送致を受けた検察官は、最終的に、起訴するか、不起訴とするかを判断します。

逮捕された場合の流れの詳細については、こちら(逮捕から起訴までの流れと期間を元検事の弁護士が図でわかりやすく解説)の記事もご参照ください。

なお、刑事事件として立件されても、必ず逮捕されるとは限らず、いわゆる在宅事件として捜査が進んでいく場合もあります。

在宅事件の場合には適宜警察から呼び出しを受けて取調べが行われ、一定の捜査の経た上で検察庁に事件が送致され(いわゆる「書類送検」)、検察庁でも取調べ等が行われた上で検察官が起訴不起訴を判断するといった流れになります。

刑事事件の一般的な流れについては、この記事もご参照してください。
刑事事件の流れについて元検事の弁護士が解説|上原総合法律事務所 

第5 リベンジポルノ行為に及んでしまった場合の対応方法

リベンジポルノ行為に及んでしまったと思われる場合は、早急に弁護士に相談するのが望ましいです。

相談することで、自らの行為が犯罪に当たるのかを明確に知ることができますし、今後の対処方針についても的確に検討することができます。

場合によっては自首をすることで逮捕の可能性を減少させるといった手段をとるべき場合もあるでしょう。

※自首についてはこちら(自首したい)の記事もご参照ください。

また、リベンジポルノ防止法違反は親告罪ですので、被害者からの告訴がなければ検察官は起訴することができません。

そのため、被害者との示談交渉をすることが極めて重要となりますが、被疑者本人で示談交渉を行うことは、それ自体がトラブルの種になりかねませんし、そもそも被疑者本人とは示談交渉はしないという被害者がほとんどでしょう。

しかし、弁護士であれば、被害者が警戒を解いて連絡をとってくれる可能性は高いですし、捜査機関は、被害者の承諾を得られれば、その連絡先を開示してくれます

弁護士は、被害者の心情に寄り添った上で交渉を進めますのでトラブルになることもまずありません。

そもそもの刑事事件としての立件の回避や逮捕の回避、不起訴処分を目指すのであれば、早期に弁護士を介した示談交渉を進めることが妥当と言えます。

※示談交渉等についてはこちら(刑事事件で示談する方法を元検事の弁護士が解説)の記事もご参照ください。

※不起訴(起訴猶予)の獲得についてはこちら( 起訴猶予とは?元検事の弁護士が不起訴との違いや起訴猶予獲得のポイントを解説)の記事もご参照ください。

第6 まとめと今後の対策

リベンジポルノは、一時の感情的な行動が一生取り返しのつかない結果を招く犯罪です。

  • これってリベンジポルノになるのか」
  • 「逮捕される可能性はあるのか」
  • 「どう対応すべきか分からない」

こうした不安がある場合は、できるだけ早く、刑事事件に精通した弁護士に相談することが最善の選択です。

専門家のサポートを受けることで、将来への影響を最小限に抑える道が見えてきます。

上原総合法律事務所は、元検事8名を中心とする弁護士集団で、迅速にご相談に乗れる体制を整えています。

刑事事件に関するお悩みがある方は、ぜひ当事務所にご相談ください。経験豊富な元検事の弁護士が、迅速かつ的確に対応いたします。

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着手金:55万円
成功報酬(不起訴・立件なし):66万円
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