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大麻取締法違反について|元検事の弁護士が解説

大麻取締法違反とは

大麻とは、大麻草という植物および大麻樹脂などの大麻製品のことです。

近年は、若い方を中心に大麻の使用が広がっており、法律が大麻を規制していることが間違っていると考えている方もいます。

大麻規制の是非はさておき、現在、大麻を所持したり、譲り渡したり、譲り受けたり、輸出入したりすると、大麻取締法違反となり、逮捕されたり、起訴されたりします。

なお、法律上、大麻の使用は規制されていませんが、実際には、大麻を使用しているときには大麻の所持していることとなりますので、大麻の所持として逮捕されます。

また、大麻を使用しているときに他の人の手で大麻を持っていたとしても、大麻の共同所持として逮捕されることが通常です。

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大麻取締法違反の罪

大麻取締法のそれぞれの罰則や時効は以下のとおりです。

お金を得る目的だった場合は重くなります。

説明罰条罰則時効
栽培・輸入・輸出24条第1項7年以下の懲役5年
(営利目的)
栽培・輸入・輸出
24条第2項10年以下の懲役(情状により300万円以下の罰金併科)7年
所持・譲受け・譲渡し24条の2第1項5年以下の懲役5年
(営利目的)
所持・譲受け・譲渡し
24条の2第2項7年以下の懲役(情状により200万円以下の罰金併科)5年

 

大麻取締法違反で逮捕・勾留される割合

令和4年版犯罪白書(以下、出典同じ。)によると、令和3年に大麻取締法違反で警察に発覚した事件のうち、約60%が逮捕されます。

逮捕された方のうち、検察庁に送致する前に釈放されるのは約1%とごくわずかです。これを送致前釈放と言います。
この場合は、逮捕されてから48時間以内に身柄が解放されます。

上記のように送致前釈放されずに身体拘束されたまま検察庁に送致されると、警察から事件を受け取った検察官は被疑者の勾留請求をするか否かを判断します。
この判断は、犯行を認めているか、家族など身元引受人がいるか等が考慮されます。
大麻取締法違反の場合、約99%について勾留請求がなされます。

その後、裁判官は、検察官の勾留請求を受けて、被疑者を勾留する必要があるかどうかを判断します。
勾留請求された事件のうち、約98%について勾留が決定され、10日間の身体拘束がなされます。

大麻取締法違反をした場合の弁護活動

弁護活動として大切になることは、主に、⑴身柄解放と⑵刑の減軽の2つです。

⑴ 身柄解放

大麻取締法違反をした場合、基本的には勾留され、起訴されてしまいます。

勾留された場合、初めに10日間、勾留が延長されれば更に10日間、最長20日間、警察の留置所から出られない状態になってしまいます。

勾留から解放されるためには、起訴後に保釈される必要があります。

そのため、大麻取締法違反をして逮捕された場合、なるべく早く釈放されるためには、なるべく早く起訴されて、なるべく早く保釈される、ということが必要になります。

なるべく早く起訴されるためには、取調べに対する対応が必要です。

検察官は、必要な捜査を終えなければ起訴・不起訴の決定ができません。

そして、必要な捜査とは、大麻の鑑定などに加え、どのようにして大麻取締法違反が行われたかを解明する必要があります。

そのため、警察官や検察官に対し、取調べで直接伝える形や弁護士経由で伝える形で、捜査上必要なことを伝えるべきです。

また、このように捜査上必要なことを伝えることとは、反省していることも示すため、保釈が通りやすくなります。

⑵ 刑の減軽

刑の減軽については、弁護士は執行猶予の獲得や量刑の減軽を目指して活動することになります。

執行猶予を得るためには、本人が反省している状況などに加えて、再び薬物を使用することがないことを、裁判所にいかに伝えるかが重要になってきます。

そのため、仕事の有無、監督者の有無などが重要になりますので、関係者と予め打合せをして、協力を得ることが必要です。

さらに、大麻には依存性があり、自分の意思ではなかなかやめることができないものと考えられているので、二度と大麻を使用しないために治療・更生プログラムに参加したり、回復施設に入所する必要があります。

当事務所では、信頼できる病院を複数ご紹介できるため、これらの病院から最適な施設を選んでご紹介します。

事案に応じた最良の方策を選択し、執行猶予に結びつきやすい有利な事情を積み重ねて,これらを裁判官に対して十分に主張・立証することが必要です。

無実の場合

大麻と知らずに所持していたり、所持していること自体を知らなかったりという場合、大麻取締法違反は成立しません。

そのため、弁護士が、無罪を勝ち取るための証拠を探します。

このような場合には、理由があるはずですから、理由を確認することが重要になります。

また、無実の場合、取調べ対応についても、弁護士としっかり打ち合わせをする必要があります。

警察官や検察官は「無実なら事実を正直に言えば良い」といって話をさせようとすることがありますが、そう思って取調べに応じていると、思わぬ形で揚げ足を取られる可能性があります。

逮捕されている事案では、弁護士が警察署に行ってこの打ち合わせをします。

弁護士との打ち合わせには警察官の立ち会いはなく、誰にも聞かれることがないので安心して相談ができます。

自首について

警察から連絡が来ていなかったり逮捕されていない場合でも、「後悔している」「夜も眠れない」「逮捕されたらと考えると不安で不安でしかたない」という方も多いです。

このような方は自首をすることを強くお勧めします。

大麻取締法違反は放っておけば逮捕される可能性が高いです。
ですが、自首をすれば、逮捕を避けられる可能性が出てきますし、逮捕されたとしても裁判官が勾留しないでくれたりする可能性が出てきます。

さらには、自首しておけば、起訴されたとしても、執行猶予がつく可能性が上がります。

最後に

大麻取締法違反事件では、まずは弁護士に相談し、事案に応じた適切な対応を速やかにとるように努めることが大切です。

特に、大麻は再犯の数が多いため、もう二度と大麻に関わることがないようにするための環境をしっかりと整える必要があります。

当事務所では、まずはじっくりお話をお聞きしてから、それぞれの事案に即して、示談交渉、早期の身柄の解放や勤務先への対応など必要な弁護活動を誠心誠意行います。お気軽にご相談ください。

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※事案の性質等によってはご相談をお受けできない場合もございますので、是非一度お問い合わせください。

薬物犯罪に関するお客様の声はこちらをご覧ください。

薬物犯罪に関する解決事例(大麻の共同保持)はこちらをご覧ください。

弁護士 上原 幹男

弁護士 上原 幹男

第二東京弁護士会所属

この記事の監修者:弁護士 上原 幹男

司法修習後、検事任官(東京地方検察庁、奈良地方検察庁等)。検事退官後、都内法律事務所にて弁護士としての経験を経て、個人事務所を開設。 2021年に弁護士法人化し、現在、新宿事務所の他横浜・立川にも展開している。元検事(ヤメ検)の経験を活かした弁護活動をおこなっている。

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