Aさんは、目が覚めた時、見慣れない場所にいました。周りを見ると人がいて、話しかけてみると警察官でした。そのため、自分が警察署で寝ていたことを知りました。しばらくすると、取調室に連れて行かれ、刑事から、「あなたは駅で駅員に対して暴力を振るったのだ。」と言われました。
そこでよく思い出してみると、Aさんは仕事の後に、同僚と酒を飲みに行き、終電近くまで飲んだ後、帰宅するために電車に乗りました。そして、駅員の胸ぐらを掴み、顔面を殴ったことを思い出しました。
そのことを正直に話すと、刑事は、供述調書を作った上で、Aさんの身柄を釈放してくれました。
Aさんは、酒に酔って駅員に暴力を振るってしまったのでした。
Aさんは、釈放された翌日にご相談にいらしました。
Aさんとしては、被害者と示談して不起訴にしてほしい、もし罰金や公判請求となって事件のことを会社になるとクビになってしまう、ということでした。
また、Aさんは、自分が酒に酔って事件を起こしてしまったことにとてもショックを受け、もう酒を飲まないつもりだ、ということでした。
そのため、弁護士は、Aさんに酒を断つことを含めた謝罪文を書いてもらい、その謝罪文を被害者にお見せすることにしました。
ご依頼後、弁護士は、すぐに警察に連絡をし、事件を受任したこと、被害者と示談したいこと、を伝えました。すると、警察官は、被害者の連絡先伝えてくれるともに、まだ被害届が出ていないと伝えてくれました。
そのため、弁護士は、警察に、示談交渉をするから立件を待ってほしい、と伝えました。
その後、被害者に連絡し、被害者とお会いしました。
被害者は、当初示談するかどうかを迷っていて、お会いした当日は示談には至りませんでした。
しかし、その後、弁護士から連絡をすると「謝罪文を読むと本当に反省しているようだから。」といって示談してくれることとなりました。
なお、示談金は、初回にお会いしたときに弁護士が提案した金額から上昇することはありませんでした。
ご依頼から2週間ほどで示談が成立し、被害届を提出しないでもらえたので、この件は立件されませんでした。
本件は立件されませんでしたので、Aさんには前科も前歴もつかずにすみました。これは最高の結果です。
このように立件されなかった理由は、まず、Aさんが事件後すぐに弁護士に相談したこと、Aさんの反省が確かなもので、それが謝罪文を通じて伝わったことです。
しかし、手前味噌ですが、弁護士が早急に対応しなかったり、立件なしに持ち込むように警察と話をする技術がなければ、立件されていた可能性が高いです。
そのため、本件は、刑事事件を熟知している弁護士としての経験がまさに活きた事案だと言えます。
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