依頼者:Aさん 30-40代 女性
罪名:詐欺
被害金額:100~200万円
結果:無実の事案で逮捕・勾留→検察官に事実関係を丁寧に説明することを繰り返し、不起訴
Contents
Aさんは、勤務先から通勤手当を受け取っていました。
これについて会社は、Aさんが過去に、本当は会社の近くにある実家に住んでいたのに真実とは異なる会社から遠い住所を申告して通勤手当を騙し取っていた、として被害届を出しました。
Aさんは逮捕前から警察官に対して「過去に住んでいた場所がどこなのかは言えないが、嘘の申告をしていたのではなく、詐欺をしていない」と伝えていましたが、過去に住んでいた住所を言わなかったため嘘をついていると思われ、逮捕されてしまいました。
本件はAさんに黙秘してもらうべきか供述してもらうべきか悩ましい事案でした。
Aさんが供述すれば、揚げ足を取ってAさんの真実の認識と異なる不利な調書を作成されて起訴されてしまう可能性がありました。
他方、黙秘すれば起訴前には適切な反論ができず、疑われたまま起訴されて、結論として無罪になるとしても長期間の身柄拘束がなされるおそれが強い事案でした。
Aさんには、過去に住んでいた住所を警察に言えない明確な事情がありましたし、弁護士がAさんの実家を見に行ったところ、実家の状況からもAさんが当時実家に住んでいたとは考えられなかったので、適切に説明すれば不起訴になる可能性が十分にありました。
そこで、上原総合法律事務所では、元検察官の弁護士3名で議論し、「取調べに対する対応をAさんに十分に指導し、接見で取調べ対応をこまめに指導することを前提に、Aさんに供述してもらう」という弁護方針を取ることにしました。
最終的に、Aさんは起訴されず、無事に釈放されました。
身柄拘束された状態での取調べに適切に対応することは簡単ではありません。
Aさんが弁護士との打ち合わせをよく理解し、捜査機関に揚げ足を取った調書を作成させず、ご自身の考えを正確に伝えられたことが不起訴になった要因だと考えています。
また、黙秘していたら起訴されて長期間身柄拘束されていたかもしれないことを考えると、弁護方針もとても優れていたと自負しています。
裁判を視野に入れると、弁護士は、揚げ足を取られるリスクを避けるために黙秘する、という方針を取りたくもなりますが、一刻も早く外に出たい、というAさんの希望を叶えるべく、慎重な打ち合わせを重ねながら供述してもらったことが成功の秘訣だったように思います。
逮捕されたことは不幸でしたが、その後、弁護の依頼があってからは、最善の結果に導けたと考えています。Aさんのご多幸をお祈りしています。
特殊詐欺に巻き込まれている時にどうすれば良いか、元検察官の弁護士集団が解説します
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