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押し付け痴漢で逮捕?元検事の弁護士が解説する対処法

公開日:2024年11月19日

押し付け痴漢で検挙されてしまった方へ、不起訴を得るための対策や弁護活動の重要性を元検事の弁護士が解説します。
冤罪リスクへの対応、示談交渉、証拠の集め方についても詳細に紹介します。

1 押し付け痴漢とは?検挙されやすい背景と冤罪のリスク

押し付け痴漢は、いわゆる「痴漢」のなかで、特に電車やバスで他人に体の一部(例えば陰部や手の甲など)を押し付ける行為を指します。

押し付け痴漢は、一般的に想像される痴漢(スカートの中に手を入れて性器を触る。胸を揉むなど)と比較したときに、痴漢かどうかがわかりづらいという側面があります。

しかし、押し付け痴漢も故意に行えば公共の場での迷惑行為として処罰の対象となり得ます

混雑時の公共交通機関では、意図せず密着することも多い環境であり、実際には押し付け痴漢をしていないのに疑われてしまう場合も想定できます。

そして、実際に押し付けていない場合や、接触が故意でなかった場合でも、被害者の通報や周囲の勘違いによって検挙されるケースも考えられます。

どのような場合であれ、押し付け痴漢として検挙され、在宅捜査を受けている方が、起訴されることを防ぐためには適切な弁護活動が不可欠です。

以下では、押し付け痴漢で検挙された場合について、その対処法等を記載いたします。

2 押し付け痴漢の検挙パターンと各ケースへの対処法

押し付け痴漢で検挙される方には、意図的な行為や過失による接触から誤解に基づく冤罪などさまざまなパターンが考えられます。
弁護活動は、それぞれの状況に適した対応を選び、適切に進めることが重要です。

(1) 故意に行ってしまった場合

意図的に押し付け行為を行った場合には、事実を認めたうえで、速やかに示談交渉を進め、刑の軽減に向けた弁護活動を行います。
被害者の許しを得ることができれば、不起訴や処分の軽減が望めるため、弁護士が適切に進める示談交渉が極めて重要です。
一度嘘をついてしまえば、後から「本当はわざとでした。示談させてください。」と言っても被害者の許しを得るのが難しくなってしまう可能性があります。
そうすると、逮捕される可能性が増したり、最終的には起訴されて、前科が付くなどさまざまなリスクがあります。
適切なタイミングで適切な示談交渉を行うために、故意に押し付け痴漢をしてしまった場合は、事実を認めることが肝心です。

(2)意図しない接触があった場合

電車が満員であるなどの理由から、他人に対して意図せず押し付けをしてしまった場合や、押しつけと疑われてもおかしくない状況があった場合には、事実関係をはっきりさせたうえで「故意ではない」と証明するため、証拠収集と事実確認を徹底して行い、捜査機関に対して主張する必要があります。
自分のいた位置や手荷物の状況、混雑具合などから「確かに接触自体はあったかもしれないが、不可抗力である。」と主張します。
この場合、どこまでの事実を認めるかといった判断や、当時の状況を再現するなどの証拠の収集は弁護士などの専門家の関与がある方がよいでしょう。
弁明書や証拠書類の作成が、無実の証明に重要な役割を果たします。

(3) 押し付け行為を行っていない場合

全く身に覚えがない押しつけ行為によって検挙された場合には、冤罪の可能性が考えられます。
この場合、弁護士が証拠を収集し、客観的な証拠をもとに無実を立証するための弁護活動を進めます。
防犯カメラ映像の分析や目撃者の証言などが重要となり、弁護士の迅速かつ精密な対応が求められます。
また、無実の罪で逮捕などをされないための準備や、仮に逮捕されてしまった場合の早期の身柄開放のためにも早い段階での弁護士の関与が重要になります。

3 押し付け痴漢で問われる罪とその影響

押し付け痴漢で検挙されると、故意性や行為の内容によって以下の罪に問われることがあります。

(1) 迷惑防止条例違反

迷惑防止条例違反では、各都道府県で異なる罰則が設けられており、初犯であっても懲役や罰金の対象となる可能性があります

例えば、東京都では、いわゆる迷惑防止条例で「 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつ て」「 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体 に触れ」た場合には「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処せられる可能性があります。

(2) 不同意わいせつ罪

押しつけ痴漢の場合であっても、不同意わいせつ罪(刑法第176条「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。」)により重罰が科される可能性もあります
強制わいせつ罪に問われた場合6か月以上10年以下の懲役が適用されるため、厳重な対応が求められます。

いずれの罪で検挙された場合であっても、逮捕され会社や学校にしばらくいけなくなるなど社会生活に多大な影響を受ける可能性はありますし、起訴されて懲役刑や罰金刑の有罪判決を受け、前科がついてしまうことも考えられます。

逮捕された時点で会社を解雇されてしまったり、逮捕に伴う報道によって社会的名誉を傷つけられてしまうこともあります。

4 在宅捜査中に不起訴を目指す具体的対策

在宅捜査中に不起訴を得るために、故意がある場合には、被害者との示談交渉により、被害者からの許しを得ること故意がない場合には事実に基づき故意がないことを立証するための弁護活動が必要です。
弁護士が適切な弁護活動を行うことで、不起訴に繋がる可能性を高めます。

以下では弁護士の行いうる具体的な弁護活動について記載します。

(1) 証拠収集の徹底と弁護戦略の策定

弁護士は、まず被疑者本人から事情聴取を行い、故意がある場合なのか、故意がない場合なのかを確認したうえで、その後の弁護戦略を立てます。
そして、証拠収集を迅速かつ徹底的に行い、取り調べや捜査機関への対処方法を指導します。
証拠が乏しい場合も、現場の状況や相手の証言の矛盾点を突くための戦略を立て、被疑者の立場を守ります。

(2) 捜査機関への対応と陳述書の提出

取り調べでは、自己防衛のためにも供述に注意することが必要です。
弁護士は、あなたの主張が不利にならないよう、事前に供述内容を整理し、捜査機関に弁明書を提出することで、不起訴を目指した弁護活動を進めます。

被疑者の供述をまとめた陳述書などの書面を作成したり、被害者への謝罪文を作成するための指導等も行います。

これらの書面は、内容を間違えると著しい不利益をもたらす場合があります。
弁護士監修のもと適切な対応をする必要があります。

(3) 被害者との示談交渉の代理

犯行を認めている場合には被害者との示談交渉をおこないます。
多くの被害者は、犯人との交渉を拒否しており、そもそも弁護士がいなければ交渉すらできないことがほとんどです。
また、弁護士が示談交渉に臨むことで、冷静かつ適正な示談交渉が可能となり、不起訴処分の実現がより現実的になります。

(4) 拘束や逮捕のリスク回避

在宅捜査中は、弁護士が捜査機関と連携し、拘束や逮捕リスクを最小限に抑えます。

そもそも逮捕は、一定の要件を満たした場合しかされません。

逮捕される場合については以下の記事を参考にしてください。

逮捕(たいほ)の種類や逮捕されたらどうすべきか、元検事の弁護士がわかりやすく解説

弁護士が継続的にサポートすることで、あなたが適切な対応を取ることができ、逮捕されることなく在宅捜査が円滑に進むようにします。

5 まとめ 上原総合法律事務所が提供する専門的サポート

上原総合法律事務所は、元検事を含む刑事事件に強い弁護士が在籍し、押し付け痴漢で検挙された方に専門的なサポートを提供します。

在宅捜査中の弁護活動や示談交渉、不起訴を目指した対応において多くの実績を誇ります。

押し付け痴漢での検挙により不安を抱えている方も、当事務所の弁護士による迅速かつ適切な対応により安心して解決を目指すことができます。

お困りの方はお気軽にご相談ください。

 

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弁護士 上原 幹男

弁護士 上原 幹男

第二東京弁護士会所属

この記事の監修者:弁護士 上原 幹男

司法修習後、検事任官(東京地方検察庁、奈良地方検察庁等)。検事退官後、都内法律事務所にて弁護士としての経験を経て、個人事務所を開設。 2021年に弁護士法人化し、現在、新宿事務所の他横浜・立川にも展開している。元検事(ヤメ検)の経験を活かした弁護活動をおこなっている。

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