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医師や医学生が逮捕されたら

人は時として、気の緩みや些細な言動によって、罪を起こしてしまうことがあります。
品格や倫理を強く求められる医師や医学生とて、人でありますから罪を犯すことがあるかもしれません。そんな時、適切な対応をしたか否かで、その後の人生は大きく変わります。
まず、貴方や家族が突然逮捕された場合、真っ先に思うのは以下のような疑問ではないでしょうか。
1 いつ、家に帰してもらえるのだろうか。
2 医師免許は取り消されるのだろうか。
3 医師という職業柄、実名報道されるのだろうか。
この記事では、3つの疑問にお答えするとともに、弁護士にできること、そして、元検事集団である当事務所にできることをお話致します。

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1 いつ、家に帰してもらえるのだろうか。

こちらの疑問に対し、刑事事件の身柄拘束の流れを説明致します。
・ 逮捕された場合、逮捕から48時間以内に事件は検察官に送られます(送検)。
・ 検察官は24時間以内に勾留すべきか否かの判断が行います。
・ 裁判官において勾留決定がなされると最大20日間勾留され、検察官において起訴、不起訴の判断が行われます。
逮捕から起算すると最大で23日間、身柄を拘束される恐れがあります。
また、起訴され裁判になった場合、更に判決まで数か月勾留が継続する可能性があります。
これは最大期間であるため、当然、逮捕後に釈放される場合もあります。
身柄拘束期間は、犯罪の軽重や被害状況など各事情によって変化しますので、期間の長短は一概に言えないというのがご回答になります。
注意していただきたいのは、身柄の拘束は捜査機関・裁判所の判断に左右されるということです。そのため、ご自身で考えていたよりも長期間身柄を拘束され、釈放された時には職場、学校、周辺住民にバレてしまい、懲戒処分、退学処分、閉院という事態になる恐れがあります。
逮捕等をされたことを会社や学校に対して報告する義務があるのかですが、就業規則や学則で報告義務が定められている場合を除き、報告義務はありません。報告義務はないものの、職場や学校に欠勤等で迷惑をかける場合があります。
そうならないためには、速やかに弁護士に相談し、早期の釈放を目指すのが重要です。
早期釈放に向けて、弁護士にできることをご説明します。
・逮捕後、裁判官に対して勾留決定をしないよう意見書を提出
・勾留決定がなされた後は、決定の取り消しの申立て(準抗告)
・被害者がいる事件の場合、示談を早期にまとめ、検察官に対し不起訴、釈放を求める
・起訴され裁判となった場合は保釈請求

2 医師免許は取り消されるのだろうか。

逮捕、勾留、裁判を受けることになったことで医師免許が取り消されることはありません。
医師免許の取り消し、戒告、医業停止といった行政処分を受ける可能性があるのは「罰金以上の刑に処された(医師法第4条)」場合です。医師又は歯科医師が罰金以上の刑に処されたことは、法務省から厚生労働省に情報提供がなされます。(「罰金以上の刑に処せられた医師又は歯科医師」に係る法務省からの情報提供体制について)提供される内容は「公訴事実の要旨(起訴された内容)」や「判決結果及び事実の要旨(控訴審、上告審を含む)」です。その後、行政処分を決めるため、医道審議会の審議がなされ、最終的に厚生労働大臣が行政処分を命じるという流れになります。また、医学生が「罰金以上の刑に処された」場合は、試験に合格しても医師免許が与えられない可能性があります。
なお、罰金以上の刑が処分の対象となるため、執行猶予判決も含まれます。
罰金以上の刑に処されないためにはどうしたらいいのか。
起訴前と起訴後(裁判になった場合)に分けて説明します。
1 起訴前:検察官に不起訴処分にしてもらう。
2 起訴後:裁判で無罪判決を受ける。
2つの方法があるものの、起訴され裁判となった場合の有罪率は約99パーセントであるため、無罪判決を受けるのは困難を伴う場合が多いです。
まずは、速やかに弁護士に相談し、不起訴処分を目指すことが重要となります。
不起訴処分に向けて、弁護士ができることをご説明します。
刑事事件の多くは、被害者が存在します。
被害者がいる刑事事件では、示談を成立させることができれば不起訴となる可能性は大いにあります。
自ら被害者に謝罪し、示談交渉を行いたいと思われる方もいらっしゃると思います。
しかし、当事者同士というのは更なるトラブルに発展する可能性があります。
その点、弁護士は、第三者的な立場で、冷静に相互の意見を汲み取り、粘り強く交渉を続け、示談を成立させ、不起訴処分に結び付けることができます。

3 医師という職業柄、実名報道されるのだろうか。

実名報道に関しては、捜査機関又は報道機関において明確な基準は明らかにされていませんが、公共性・重大性・話題性の観点から医師の場合、報道される可能性はあります。
仮に医師が裁判で有罪判断を受けたケースで考えると、以下の4つのタイミングで報道がなされる恐れがあります。
1 警察による逮捕直後
2 検察による起訴、不起訴判断時
3 公開の法廷での裁判時
4 厚生労働大臣による行政処分時
事案に応じて、各タイミングで報道されないように求めることは可能です。
しかし、報道するかどうかは、捜査機関又は報道機関の自由な判断になるため、弁護士においても情報をコントロールすることができないのが実情です。
情報のコントロールできないのであれば、早期の事件解決を目指すほかありません。
早期の事件解決に向けて、弁護士ができることを説明します。
重要となるのは被害者との速やかな示談です。
捜査段階であれば検察官による起訴、不起訴の判断は早まりますし、裁判段階であれば審理を速やかに終了させることができ、早期の事件解決が実現できます。
また、示談が成立したことにより、重要性や話題性がなくなり、実名から匿名報道に切り替えられる可能性もあります。

4 元検事集団である当事務所にできること

刑事事件において重要なことは早期対応と示談成立です。
早期対応を実現するためには、刑事事件に限らず、その後の展開を予測し、適切なタイミングで行動することが重要です。
私たちは元検事であるため、経験則から捜査機関の証拠収集状況や展開を的確に予測することができ、その状況に応じた行動をすることで、早期対応を実現できます。
また、多くの被害者対応を行った経験から、被害者の気持ちに寄り添った示談交渉を行うことができます。
その他、刑事事件とは直接関係はありませんが、職場や学校などに対する説明の仕方のアドバイスなども微力ながら行わせていただいております。
上原総合法律事務所は、弁護士をはじめ、スタッフ一丸となって、困難に直面された依頼者様のご支援を行うことをお約束します。
刑事事件でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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※事案の性質等によってはご相談をお受けできない場合もございますので、是非一度お問い合わせください。

弁護士 上原 幹男

弁護士 上原 幹男

第二東京弁護士会所属

この記事の監修者:弁護士 上原 幹男

司法修習後、検事任官(東京地方検察庁、奈良地方検察庁等)。検事退官後、都内法律事務所にて弁護士としての経験を経て、個人事務所を開設。 2021年に弁護士法人化し、現在、新宿事務所の他横浜・立川にも展開している。元検事(ヤメ検)の経験を活かした弁護活動をおこなっている。

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