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逮捕勾留された場合にどうやったら釈放されるのかを元検察官の弁護士集団が解説します

1 身柄解放を目指す場合の手続の流れ

警察官に逮捕された人の身柄を解放してもらおうとするとき、手続の段階に沿って、次の7つに場合分けできます。

⑴ 送致前釈放

警察官に逮捕された人は、逮捕から48時間以内に検察庁に連れて行かれ、検察官に会います。

これを検察官送致と言います。

送致前釈放とは、逮捕されたけれども、検察官送致される前に警察官の判断で釈放される場合を言います。

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⑵ 即釈放

即釈放とは、検察官送致されて検察官と会った後、身柄を拘束する必要がないと検察官が判断した場合に、身柄を解放してもらうことです。

⑶ 却下釈放

検察官送致により被疑者と会った検察官が身柄拘束が必要だと判断すれば、検察官は裁判官に勾留を請求します。

これに対し、裁判官が身柄拘束は必要ないと判断した場合、裁判官は勾留請求を却下し、身柄が釈放されます。これを却下釈放と言います。

⑷ 勾留後起訴前の釈放

裁判官も身柄拘束が必要だと判断すれば、勾留請求の日から10日間、身柄が拘束されます。

これを勾留と言います。

勾留中は、検察官の判断で、身柄を釈放できます

検察官は、勾留期間中に示談が成立するなどした場合に、釈放します。これが勾留中起訴前の釈放です。

⑸ 略式命令請求による釈放

勾留後、検察官は、起訴するか不起訴にするかの決定をします。

また、起訴するとして、罰金を求めるか、懲役や禁錮を求めるかを決めます。

そして、罰金にすべきと考える場合は、通常、略式命令請求という手続をします。

この略式命令手続は、公開の法廷を開かずに罰金を科す手続で、勾留満期までに略式命令請求がなされ、同じ日に釈放されます。

なお、懲役や禁錮を求めるべきと考えた場合、公開の法廷での裁判を求めます。これを公判請求といいます。

⑹ 保釈

保釈とは、公判請求された後に、裁判所に身柄の解放を請求し、それが認められた場合に、裁判所に指定された額のお金を納付し、身柄を釈放してもらうことです。

⑺ 実刑以外の判決

公判請求された後、保釈が認められずに判決に至った場合、判決が実刑(刑務所に服役しろ、という判決)でなければ、釈放されます。

2 各段階での身柄解放の方法

1 逮捕後、勾留される前の段階

この段階においては、弁護士が警察官、検察官、裁判官に働きかけをし、釈放するように伝えます。

この時は、ただ釈放してほしいと言うだけでは意味がありません

示談をしたり、釈放しても問題が生じない環境を整えたりと、警察官、検察官、裁判官が釈放しやすくなる環境が整うようにすることが大切です。

2 勾留されてから起訴されるまでの段階

この段階においては、弁護士が検察官に対して働きかけをすることになります。

この時も、示談をするなどし、検察官の立場に立って物を考え、検察官が釈放しやすくなる環境を整えることが効果的です。

後述3で述べる保釈の制度は、逮捕されて起訴されるまでの「被疑者」の段階では認められていません

被疑者の場合、被疑者の身柄を拘束する勾留又は勾留期間延長に対する準抗告を行い、裁判所の判断で「勾留を続ける必要がない」と判断された場合,釈放されることになります。

この時、釈放された時点で勾留状の効力は失効するため、釈放時に制限が設けられることもありませんし、保釈保証金のようなお金を納める必要もありません。

3 保釈の段階

保釈は、身柄が拘束された状態で公判請求され被告人になった者に対して、必要的又は裁量的に釈放が認められる制度です。

この段階においては、証拠隠滅や逃亡の恐れがない場合等に認められるため、裁判官に対し、証拠隠滅や逃亡の恐れがないと思えるような証拠や保釈後の監督を制約する旨の身元引受書を提出することが大切になります。

保釈が許可された時、逃亡を防止する等の観点から、制限住居が指定されたり、召喚時には出頭義務を課されたりと、様々な制限が設けられます。

裁判所が決めた保釈保証金を裁判所に納付すると釈放されます。

上記の制限を守らなかった場合、保釈が取り消され、勾留状の効力が復活して身柄が拘束されるとともに、保釈保証金が没取されることがあります。

これらの制限は、逃亡等による裁判の遅延等、公判の遂行に支障をきたさないようにするために設けられています。

保釈が許可されて釈放されたとしても、身体を拘束するための令状である勾留状の効力は失われません。

実刑判決が言い渡された場合や保釈の条件を守らなかった場合など、釈放を続ける事由がなくなった時には、再度、この勾留状の効力をもって身柄が拘束されることとなります。

保釈の請求は、公判請求された日から裁判が確定するまでの間であればいつでも行うことができますので、いつでもご相談ください。

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4 実刑以外の判決の段階

この段階においては、実刑までは必要ないと裁判所に思ってもらえるよう、有利な情状を裁判で提出し、実刑判決を回避することが大切になります。

実刑以外の判決が言い渡された場合、勾留状の効力が失われるため、その場で釈放されることになります。

3 保釈保証金を準備できない場合

保釈の請求を行って保釈許可決定がなされた場合、裁判所が指定した額の保釈保証金を支払う必要があります。

保釈保証金は資力等を勘案して決められますが、高額になることがほとんどですし、一括で支払う必要があります。

保釈保証金が裁判所に納付されると速やかに釈放されますが、依頼者の中には、保釈が許可されたがお金を準備することができないので納付することができないとお困りの方もいらっしゃいます。

そんな時、保釈保証金を立て替えてくれる組織があります。

一般社団法人日本保釈支援協会(以下,「保釈支援協会」という。)は、保釈保証金の準備ができない方のため、500万円を上限として,保釈保証金を立て替えてくれる組織です。

保釈支援協会へ申込みを行い、電話にて事件の内容等のヒアリングの審査を受けます。
そして、審査が通ると、保釈保証金を借りることができます。

申込み自体は、起訴される前でも保釈許可決定がなされていなくても行うことができます。

弊所においては、事前に検察庁に処分見込みを確認するなどし、仮に身柄拘束されたまま公判請求されることが分かった場合、依頼者と密に連絡を取り、迅速に保釈請求を行います。

保釈支援協会の説明や手続きの依頼など、保釈許可決定が出たらすぐに納付できるよう、事務所一丸となって対応いたしております。

4 刑事事件のご相談は

ご家族等が逮捕・勾留され、不安な気持ちを抱えてお過ごしかと思います。

上原総合法律事務所では、元検事の経験を活かし、事務所一丸となって、早期の身柄解放に向け適切かつ迅速に対応いたします。

逮捕されるかもしれない、家族が逮捕されてしまったなど、不安な気持ちをお持ちの方は、上原総合法律事務所までご相談ください。

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※事案の性質等によってはご相談をお受けできない場合もございますので、是非一度お問い合わせください。

弁護士 上原 幹男

弁護士 上原 幹男

第二東京弁護士会所属

この記事の監修者:弁護士 上原 幹男

司法修習後、検事任官(東京地方検察庁、奈良地方検察庁等)。検事退官後、都内法律事務所にて弁護士としての経験を経て、個人事務所を開設。 2021年に弁護士法人化し、現在、新宿事務所の他横浜・立川にも展開している。元検事(ヤメ検)の経験を活かした弁護活動をおこなっている。

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