事情聴取(取調べ)とは?元検事の弁護士が呼出しを受けた際の注意点やその後の流れを解説

取調べ・呼出しに対処したい

ある日突然、警察や検察から連絡を受けて、警察署や検察庁で話を聞きたいと呼出しを受けてしまった。

そんな時、誰しもが不安を感じることと思います。

そこで、今回は、元検事(ヤメ検)の弁護士が事情聴取(取調べ)の概要流れや呼出しを受けた際の対応・注意点等について解説します。

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事情聴取(取調べ)とは?

「事情聴取」というのは法令上の言葉ではなく、司法の世界では「取調べ」といいます。
「取調べ」というと被疑者(いわゆる「容疑者」)が警察などから追及を受けるものをいうような印象もありますが、捜査機関が事情を聴取する場合、被害者や目撃者などに対して行われるものであってもそれらは基本的に「取調べ」です。

取調べ(事情聴取)は、捜査機関が事実関係等を把握するため、被疑者や被害者、目撃者等の参考人などから話を聞くものを指します。

警察のみならず検察も取調べ(事情聴取)を行いますが、いきなり検察から呼ばれるわけではなく、まずは警察から聴取を受け、その後さらに捜査が進行し、必要があれば検察からも取調べを受けるという流れが一般的です。

また、取り調べた結果(取調べの中で対象者から聴取した内容)を「供述調書」という証拠書類にまとめ、それが裁判で証拠となったり、ゆくゆくは裁判で証人として出廷を求められるといった可能性もあります。

警察から事情聴取(取調べ)に呼ばれるのはどんな時?

警察や検察といった捜査機関は、刑事事件の真相を解明し刑罰権を適正に行使するために日々捜査を行っています。

こうした捜査の一環として、捜査機関が、ある人の話を聞く必要があると判断した時、その人に対して事情聴取(取調べ)に応じるよう求めます。

事情聴取(取調べ)の対象は、犯人ではないかと疑われている立場の被疑者(容疑者)のほか、被害者、目撃者やその他参考人など多岐に及びます。

その目的も、事件や対象者によって様々ですが、警察が、真実を明らかにするため、あるいは証拠を収集するために行うということは共通であり、刑事事件の捜査として行われるものです。

警察からの事情聴取(取調べ)は任意?拒否することはできる?

被害者・目撃者等の純粋な参考人として事情聴取(取調べ)に呼ばれた場合であっても、被疑者として呼ばれた場合であっても、法律上これに応じなければならない義務があるわけではありません。

このため、事情聴取(取調べ)を拒否することは可能です。

ただし、捜査機関が事情聴取(取調べ)の要請をするということは、その人から聴取することが、刑事事件の捜査として必要だと判断したからに他なりません。

被害者が事情聴取(取調べ)を拒否すれば、被害内容や犯人の特徴等が分からず、泣き寝入りになってしまうかもしれませんし、目撃者が拒否すれば、そのことによって本来処罰されるべき犯人が野放しになってしまう可能性もあります。

また、あくまで現時点では参考人であっても、中には捜査機関から被疑者に当たるのではないかと疑われている可能性もあります(このような立場の参考人が特に「重要参考人」と表現されたりする場合もあります。)。

このような参考人が、どうしても都合がつかない場合のような正当な理由なく要請を拒否した場合、将来的に捜査機関から逮捕・勾留されるリスクが事実上高まってしまうリスクがあります。

したがって、このようなリスクを回避するために、正当な理由がなく事情聴取の拒否を続けることは避けた方が無難だと考えます。

このリスクは被疑者として事情聴取を受ける場合も同様であり、在宅事件の被疑者(逮捕等の身柄拘束を受けていない被疑者)が、正当な理由なく取調べの拒否を繰り返してしまうと、逃亡や罪証隠滅のおそれがあるという判断に繋がり、捜査機関から逮捕・勾留されるリスクが事実上高まってしまうリスクがあります。

※逮捕については逮捕(たいほ)の種類や逮捕されたらどうすべきかを,元検事の弁護士がわかりやすく解説の記事もご参照ください。

したがって、このようなリスクを回避するために、正当な理由がなく事情聴取の拒否を続けることは避けた方が無難だと考えます。

なお、逮捕や勾留をされてしまった場合については、刑事訴訟法198条1項ただし書において、「被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。」と定められていること等から、取調べに応じる義務(「取調受忍義務」といいます。他方、取調べを受ける中でも黙秘権は保障されます。)があるとも解釈でき、捜査機関はそのような考え方に立っているほか、判例もこれに近い考え方をしていると考えられます。

誰しもが、捜査機関から事情聴取(取調べ)を受けることには気後れするものと思いますし、基本的には任意であって拒否することもできるはずのものです。

ただ、拒否することで事実上デメリットがありうる場合も少なくなく、取調べには応じた上で、どのような点に注意すべきかどのように話すべきか(あるいは話さないべきか)を検討すべき場合も多いでしょう。

上原総合法律事務所には元検事(ヤメ検)の弁護士が多数在籍しておりますので実際に事情聴取(取調べ)を行っていた経験を有する弁護士から具体的な対策等のアドバイスをすることができます。

お悩みの方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

事情聴取と取調べは違う?

事情聴取と取調べは基本的に同じものです。

イメージとして「取調べ」というと被疑者(いわゆる容疑者)として疑われているような印象を持つかもしれませんが(だからこそ、被疑者に対する取調べ以外については、捜査機関はあえて「聴取」「事情聴取」と言って協力をお願いすることもあります。)、目撃者等であっても、被害者であっても、捜査機関から聴取を受けるのは法的には「取調べ」です。

刑事訴訟法は、被疑者の取調べについては第198条1項で

「検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。」

と定めており、

被疑者以外の取調べについては第223条1項で

「検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者以外の者の出頭を求め、これを取り調べ、又はこれに鑑定、通訳若しくは翻訳を嘱託することができる。」

と定めています。

他方、取調べ(事情聴取)の実態や留意すべき点は、どのような立場で取調べを受けるかによって大きく異なります。

被疑者として事情聴取される場合

被疑者に対する取調べ(事情聴取)は、刑事訴訟法198条1項にも定められている典型的な取調べであり、捜査の中でも極めて重要なものです。

捜査機関としては、本当に被疑者が犯人なのか、疑われている犯罪事実があったのかを明らかにするため、被疑者の主張を確認し、必要に応じて裏付捜査等を行わなくてはなりません。
また、否認している被疑者を追及し、認めさせて自白を得るという目的をもって取調べが行われることも一般的です。
被疑者の取調べで作成された供述調書は、のちの裁判で被告人が供述を変遷させた(裁判になって話を変えた)場合に重要な証拠にもなりえます。

※供述調書については供述調書とは?元検事の弁護士が作成の流れや注意点について解説の記事もご参照ください。

被疑者として取調べを受ける場合、最初に黙秘権を告げられるはずですし、自分が犯人として疑われているのだということは取調べの内容からもすぐに分かると思われます。
その場合、冤罪なのであれば、自分に不利な供述をしたり、ましてや不利な供述調書が作られないよう、慎重な対応が必要です。
また、犯罪を犯してしまったこと自体は事実だとしても、情状面から真実以上に不利な内容の供述や調書とならないようにも留意しなければなりません。
時には黙秘という選択もありえますが、常に黙秘がベストとは限らず、むしろ詳しく弁解をすべき場合もあります。
被疑者として事情聴取(取調べ)を受けることとなった場合には、ただちに捜査機関の取調べ手法等にも精通した弁護士に相談すべきでしょう。

※取調べの注意点については元検事の弁護士が取調べにどのように対応すべきか解説も参照ください。

参考人・目撃者として事情聴取される場合

刑事事件の捜査の中では、目撃者や被害者を診察した医師等、被疑者の家族などの関係者に対しても取調べ(事情聴取)を行うことがあります。
その具体的内容は対象者や事件の内容によって様々ですが、基本的には、真実を明らかにするとともに、刑事事件の証拠を収集する(供述調書を作成するなど)ために行われるものであり、犯行状況や犯人の人相、被害者のけがの内容、被疑者の生立ちなど、犯罪の成否のみならず、情状関係を明らかにするためにも行われます。
先述のとおり、取調べ(事情聴取)に応じるかどうかは任意であって拒否もできますが、罰せられるべきが正しく罰せられ、社会の治安や秩序が維持されるためには、可能な限り協力することが望ましいでしょう。
また、参考人の取調べを行うという場合には、捜査機関側もなるべく配慮し、時間や場所も融通してくれることもあります。

他方、冤罪に加担しないためには、安易に捜査機関の誘導に乗ったりはせず、自分自身の認識のとおりに話し、供述調書を作成するときには、自分が話したとおり、自分の認識のとおりの内容になっているか慎重に確認する必要があります。
また、参考人という立場であっても、起訴後も被告人が事実関係を争う場合、証人として出廷を求められる可能性もありますし、捜査機関(特に検察)が、「証人として出廷してもらうべきか」を判断するために取調べを行う場合もあります。

さらに重要なのは、当初取調べを受けた段階ではまだ「被疑者」ではなかったものの、その後の捜査の進展によって自分自身が被疑者という立場になる可能性もあるという点です。
法律上の用語ではありませんが、報道等で「重要参考人」といった表現がなされているような場合、後に被疑者として立件される可能性が相当程度高いことがうかがわれますし、そのような表現がなされていない場合であっても安心できるとは限りません。
そのような可能性がある場合、「念のため」として当初から黙秘権が告げられることもありますが、もし自分の立場や取調べの状況から「自分も疑われているのではないか」と感じた場合には、早めに刑事事件に精通した弁護士に相談することが望ましいでしょう。

被害者として事情聴取される場合

被害者を対象とした取調べ(事情聴取)も重要な捜査のひとつです。
犯罪の被害に遭ったのに、捜査でもまた負担があるのかという気持ちになるかもしれませんが、真実を明らかにし、犯人をきちんと処罰するためには被害者から詳しく事情を聴取するとともに、その供述を証拠化することは必要不可欠です。
また、取調べのみならず、犯行現場を確認したり、被害状況を再現したりなどといった捜査への協力も求められることがありますし、被告人が事実を争った場合、裁判への出廷を求められることもあります。

被疑者(被告人)が事実関係を認めている場合には、警察からの聴取等のみで終わる場合もありますが、否認している場合、事実関係に争いがある場合には、検察からも聴取を受けることとなる可能性も高く、「なぜ何度も同じ話をしなければならないのか」と思われることもあるかもしれません。
ですが、起訴不起訴の判断や裁判での証人尋問の準備のためには、検察官自ら直接被害者の聴取等を行う必要がある場合も少なからずあります。
中には、検察官の取調べやその中での説明も経た上で、「自分が裁判で証言しなくてはならないくらいなら起訴はしてほしくない」という被害者もいらっしゃいますし、もしそのような意向であれば、遠慮なく率直な考えを捜査機関に伝えたほうがよいでしょう。

事情聴取の流れ

当日までの流れ

まず、捜査機関から連絡を受け、事情聴取(取調べ)をしたい旨が告げられます。

いわゆる捜査機関からの「呼出し」ですが、方法に制限はないものの、電話が最も一般的かと思われます。

電話が繋がらない場合などは手紙による場合もありますし、どうしても連絡がつかない場合には直接訪問がなされることもあります。

特定の日時を伝えられる場合もありますし、(特に被害者や参考人が対象の場合)都合がいい日程を教えてほしい、という連絡の場合もありますが、いずれにしても都合がつかない場合には遠慮なく調整を申し出て差し支えありません。

※警察からの電話については警察から突然の電話が来たら?元検事の弁護士が対処法を解説の記事もご参照ください。

※検察からの呼出しについては 検察庁からの呼び出しへの対応方法、不起訴の可能性は?元検事の弁護士が解説 の記事もご参照ください。

ただ、自分自身が被疑者である、その可能性があるという場合には、連絡があった場合には折り返すなどするほか、可能な限りすみやかに日程調整等を行った方が無難です。

連絡が全く取れない、理由をつけて長期間出頭しないなどといった状況となれば、罪用隠滅や逃亡のおそれがあるとして逮捕等につながりかねないリスクがあります。

他方、本当に出頭できない事情がある場合には、具体的な理由も誠実に説明して理解を得るべきでしょう。

※逮捕については逮捕(たいほ)の種類や逮捕されたらどうすべきかを,元検事の弁護士がわかりやすく解説の記事もご参照ください。

当日の流れ

取調べ(事情聴取)の当日は、呼び出された警察署や検察庁へ赴き、受付で名前や誰から呼ばれているかなどを告げます。

約束の時間の5~10分ほど前に到着すれば十分でしょう。

そこから、待合室等で待つよう言われ、警察官や立会事務官が迎えに来て取調室へ移動するという流れが一般的です。

取調べの時間は内容によって様々ですが、呼出しの際におおよその時間を尋ねることも可能ですし、後に予定があるような場合には予め伝えておいてもよいでしょう。

聴取を受ける際には、自分の認識や主張を正確に話すことが重要です。

被疑者として取調べを受ける場合はもちろんですが、被害者や参考人という立場であっても、適切な刑事処分がなされるためには、捜査機関の誘導等にも流されず、誠実に話をすることが大切です。

ある程度聴取がなされた上で供述調書を作成するという流れが一般的ですが、複数回の取調べが行われ、供述調書の作成は2回目以降という場合や、複数の供述調書が作成される場合もあります。

取調べの途中に休憩を挟む場合もあります。

トイレに行きたい、疲れてしまったなど、休憩がほしい場合には自ら申し出て結構です。

※取調べの注意点については元検事の弁護士が取調べにどのように対応すべきか解説も参照ください。

※供述調書については供述調書とは?元検事の弁護士が作成の流れや注意点について解説の記事もご参照ください。

当日の持ち物

取調べの際には、本人確認のための身分証(運転免許証等)と、朱肉で押すタイプ(シャチハタでないもの)の印鑑を求められることが一般的です。

印鑑については、供述調書を作成する場合に押印する場合に用いるものですが、忘れた場合は指印で代用することもあります。また、印鑑登録された実印ではなく認印で構いません。

また、純粋な参考人が観察で聴取を受けるような場合には、交通費等が支給されることもあり、振込希望の場合は口座情報を求められる場合もあります。

そのほか、特に捜査機関が確認したいものがある場合には呼出しの際に伝えられるはずですが、呼出しの連絡の際に自分から尋ねてみてもよいでしょう。

なお、取調べの際にメモをとったり、録音したりすることは認められないことがほとんどです。

また、自分でメモを作って持って行っても、まずは口頭で直接確認したい、と言われることが多いかと思われます。

もし、自分の主張を正確に伝えられるか不安があるという場合には、予め弁護士に上申書や陳述書を作成してもらい、それに署名捺印して提出する、という方法もあります。

※陳述書については刑事事件の陳述書とは?書き方や提出方法について元検事の弁護士が解説の記事もご参照ください。

当日の服装

取調べ当日の服装に特に制限はありません。

ただ、捜査機関からの印象はよいに越したことはありませんし、あまりにだらしない恰好は避けた方が無難でしょう。

また、取調べとあわせて事件の状況の再現等をし、写真を撮影する機会があったりもしますので、念のためご留意ください。

事情聴取(取調べ)を受けた後の、その後の流れ

被害者が検察庁で事情聴取を受けた場合、希望すれば起訴・不起訴と言った刑事事件の処分結果や刑事裁判になった場合の裁判日程、裁判の結果等について、検察官等から通知を受けることができます。

目撃者等が検察庁で事情聴取を受けた場合でも、希望すれば上記刑事事件の処分結果等につき通知を受けられる場合があります。

当該事件が起訴され、公訴事実を被告人が争っている場合、被害者や参考人が証人として出廷を求められる場合があります。

その場合、検察から改めて連絡があり、裁判への協力を要請されることになりますし、その可能性がある場合には取調べの際に予め伝えられることが一般的です。

一方で、被疑者については、取調べで作成された調書等を元に、検察庁において当該刑事事件の処分が判断されることになります。

これにより、公判請求(通常起訴)されて公の裁判所において刑事裁判を受けることになる、略式起訴(略式手続)といって書面のみの審査で罰金刑を受けることになる(この場合、取調べを受けた後に、略式手続を行うことについて説明され、そのことに同意する書面に署名等を求められます。)、あるいは不起訴処分になるなど、自己に対する処分が決まります。

なお、被疑者が、検察に対し、自己に対する処分を確認することもできます。

※不起訴(起訴猶予)については起訴猶予とは?元検事の弁護士が不起訴との違いや起訴猶予獲得のポイントを解説の記事もご参照ください。

※不起訴(嫌疑不十分)については嫌疑不十分とは?不起訴となるためのポイントや処分までの流れについて元検事の弁護士が解説の記事もご参照ください。

※略式手続については略式起訴・略式手続でも前科?元検事の弁護士が手続の流れ、罰金額の相場等を解説の記事もご参照ください。

※公判請求については公判請求(起訴)とは?被告人が執行猶予を得るためにするべき裁判の準備について元検察官の弁護士が解説します(罪を認めている場合)の記事もご参照ください。

※無罪を主張する場合については無罪を勝ち取りたいの記事もご参照ください。

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事情聴取(取調べ)を受けるときの注意点

以下では、事情聴取(取調べ)を受ける際の注意点について、特に被疑者として聴取を受ける場合を念頭に記載しています。

出頭拒否はできる限りしない

上記のとおり、被疑者になりうる重要参考人や被疑者が、正当な理由なく何度も事情聴取(取調べ)を拒否すると、逮捕・勾留されてしまうリスクがあります。このため、出頭拒否はできる限りしない方が望ましいと考えられます。

また、被害者が取調べを拒否すると、処罰してほしいと希望していても刑事手続が進行せず、不起訴となってしまう可能性もありますし、目撃者等の参考人であっても、罰せられるべき犯罪が処罰され、社会の秩序と治安が維持されるためには、なるべく協力すべきと考えられます。

黙秘権があるので不要なことは話さない

被疑者として取調べを受ける場合、上記のとおり黙秘権があります。このため、言いたくないことを無理に話す必要はありません。

取調べを受ける際、形式的には黙秘権を告げつつも、実際には話すようプレッシャーを加えられることも珍しくありません。あらかじめ想定される流れを確認しておくことで、必要以上に負担を感じることを防ぐことができます。

また、事案の内容等によっては黙秘が必ずしもベストな選択ではなく、的確な主張をしてその裏付け捜査をしてもらうべき場合もあります。

実際の取調べでの対応については、捜査機関の手法や刑事事件に精通した弁護士からアドバイスを受け、どのような追及が想定されるか、黙秘すべきか否か、供述する場合にはどのような主張をすべきかなどについて予め準備をしておくべきでしょう。

不正確な供述、不要な供述はしない

捜査機関による取調べは真実を解明するためのものでもありますが、実質的には「この被疑者が犯人だ」「犯罪に該当する行為があった」「故意や共謀があった」「計画性や強い動機があった」というような、「被疑者による悪質な犯罪があった」と認定できる供述を引出したい、認めさせたいといった目的で行われることが多いと言わざるを得ません。

そのような中で供述する際には、正確な内容を伝えること、捜査機関の誘導等に乗らないこと、不要なこと、不用意なことを言わないことも重要です。

状況によっては、部分的には黙秘しつつ主張すべきことは的確に主張するといった対応が望ましい場合もあり、事前に刑事事件や取調べ手法等にも精通した弁護士と入念に打合せをしておくことが望ましいでしょう。

供述調書の内容をきちんと確認、不用意にサインしない

事情聴取(取調べ)を行った警察官・検察官が、対象者の話をまとめた書面を(供述)調書と言います。

調書は、検察官が被疑者の刑事処分を決める際、また裁判の場でも証拠になる重要な書類です。

供述調書を作成する際には、内容をよく確認し、自分が話した内容がきちんと記載されているか否か確認しましょう。

仮に自分の話した内容と違うと思う記載があれば、警察官・検察官に訂正を求めることも可能です。

仮に訂正に応じてもらえない場合等には、署名・押印を拒否することもできますので、内容に納得がいかない調書を作成しないよう十分ご注意ください。

なお、供述調書作成時の注意点については供述調書とは?元検事の弁護士が作成の流れや注意点について解説の記事をご覧ください。

事情聴取(取調べ)を受ける時、元検事の弁護士に相談するメリット

被疑者として、あるいはそうなる可能性がある状況で取調べを受ける場合、早期に元検事(ヤメ検)の弁護士に相談することには大きなメリットがあります。

以下では様々なメリットについて説明します。

取調べにおける捜査機関の手法や追及されるポイントが分かる

取調べにおいて、捜査機関からどのような追及をされるのかなどは事案によって様々です。

まず前提として、どのような事件であり、証拠関係がどうなっているのか、その中でどういった点が争点になるのかを正確に把握する必要があります。

さらに、事案の内容や証拠関係を踏まえた上で、犯罪が成立する方向の供述を引き出すために捜査機関がどのような追及をしてくるのかの推測までできれば、取調べにおいても余裕をもった対応ができますし、どのような回答するかの準備も可能となってきます。

特に故意や共謀といった内心の問題が争点となる場合には、被疑者の供述が重要な証拠となりますし、いわゆる「未必の故意」や「黙示の共謀」を認定できる証拠関係とするため、捜査機関がどのようなことを言わせようとしてくるのかどのような内容の供述調書を作ろうとするのかなどについて、専門的な知見に基づいたアドバイスを受けておくことが非常に有用です。

また、取調べにおいては、心理的な負担を感じるような状況も少なくありません。密室で、時には長期間被疑者として追及を受けるわけですから、無理もないところです。

この点も、捜査機関としてはどのような手段に出てくるのかどんな意図があるのかなどを、実務経験に基づいた知識を得ておくことで、過度な心理的負担の回避に繋がりえます。

取調べにおける対応方法を詳細に相談できる

被疑者として取調べを受ける際、「黙秘」がベストな選択とは限りません。

むしろ、事案の内容と証拠関係を踏まえ、主張すべき内容を的確に主張することが重要な場合が多いかもしれません。

ただ、取調べの中で供述をするのであれば、誤解を招かないよう、正確な供述をするとともに、不用意な発言をしないように留意することも必要です。

また、捜査機関の追及にどのように反論するのか(あるいはしないのか)、さらには供述調書の作成の際に特に留意すべき点など、気にすべきことは多岐に及びますし、その具体的内容は事件や証拠関係によって異なってきます。

そもそも黙秘すべきか主張をすべきか、供述はするとしてどのような主張をすべきか、どんな追及がありえどのように対応すべきか、供述調書の作成についてどうすべきか(署名等に応じるべきか、どんな点に留意すべきか)などは、事案に応じた非常に専門的な判断が必要ですが、元検事の弁護士であれば、刑事事件の知識はもちろん、捜査機関の判断ポイントや取調べの手法等まで踏まえたアドバイスが可能です。

※取調べの注意点については元検事の弁護士が取調べにどのように対応すべきか解説も参照ください。

※供述調書については供述調書とは?元検事の弁護士が作成の流れや注意点について解説の記事もご参照ください。

陳述書や意見書の提出等、不起訴に向けた効果的な弁護活動がある

人によっては、取調べの中で自分の言いたいことが言えるか自信がなかったり、あるいは事案の性質上、複雑な主張が必要な場合もあるでしょう。

そのような場合には、取調べの中での話や捜査機関が作成する供述調書のみに依拠するのではなく、こちら側の主張を的確に捜査機関に伝え、また証拠として残すため、陳述書(上申書)を提出するといった方法もあります。

陳述書(上申書)はいわば弁護側で作成する供述調書であり、曖昧な点や不自然・不合理な内容はないか証拠や主張と矛盾するところはないかなどにも留意する必要がありますし、事件のポイントとなる点について過不足ない主張がなされていることが重要です。

※陳述書については刑事事件の陳述書とは?書き方や提出方法について元検事の弁護士が解説の記事もご参照ください。

また、起訴不起訴については、取調べ等の捜査を経た上で検察官が行うところ、その前に、不起訴とすべき事情(犯罪が成立しない、被疑者は犯人でない、起訴猶予や略式罰金とすべき事情があるなど)を揃え、さらにその内容を的確に検察官に伝える必要があります。

先述の陳述書もそうですが、場合によっては家族等の上申書疾患等がある場合にはその診断書有利な証拠がある場合にはそれ自体やそれにまつわる報告書などを提出するほか、示談を成立させて示談書を提出することもあります。

また、それらの不起訴へ向けた各事情を踏まえた意見書等を提出することもあります。

元検事の弁護士であれば、どのような場合に検察官が不起訴にしようと考えるのかというポイントも踏まえ、的確な資料収集や意見書の作成等が可能です。

※不起訴(起訴猶予)については起訴猶予とは?元検事の弁護士が不起訴との違いや起訴猶予獲得のポイントを解説の記事もご参照ください。

※不起訴(嫌疑不十分)については嫌疑不十分とは?不起訴となるためのポイントや処分までの流れについて元検事の弁護士が解説の記事もご参照ください。

※略式手続については略式起訴・略式手続でも前科?元検事の弁護士が手続の流れ、罰金額の相場等を解説の記事もご参照ください。

裁判でも執行猶予や無罪を目指すことができる

検察官によって起訴という判断がなされた場合も、引き続き裁判においても弁護士の適切なサポートを得ることが重要です。

執行猶予となるか実刑となって現に刑務所で服役するかでは今後の生活に極めて大きな影響がありますし、実刑であっても刑期の長短は重要です。

有罪となる場合であっても、裁判でもよりよい判決となるよう全力を尽くすべきです。

また、日本における刑事裁判の有罪率は99%を超えており、無罪を獲得することは容易ではありません。

ですがその中でも確実に無罪になる事件は存在していますし、無罪を主張すべき事件こそ、刑事裁判にも精通した弁護士による公判弁護が必要でしょう。

元検事の弁護士であれば、裁判において検察側がどのような主張をしてくるのかやその弱点、はたまた裁判官がどのような点を重視するかも踏まえた的確な弁護活動が可能です。

※執行猶予の獲得については執行猶予を獲得するには?元検事の弁護士が執行猶予となるための弁護活動や条件について解説の記事もご参照ください。

※無罪を主張する場合については無罪を勝ち取りたいの記事もご参照ください。

事情聴取についてよくある質問

取調室はどんな感じ?

取調べ(事情聴取)が行われる警察署や検察庁の施設の新旧にもよりますが、基本的には殺風景な部屋であり、警察の場合は警察官1~2名、検察の場合は検察官と立会事務官がいることが多いでしょう。特に警察の場合、かなり狭い取調室もあり、圧迫感を感じる方もいるかもしれません。

事情聴取(取調べ)の間、外部と連絡できる?

まさに取調べを受けている時には基本的に外部に連絡したりはできませんし、弁護士であっても立ち会えないというのが日本の現状です。他方で、身柄拘束を受けていない限りあくまで任意の捜査であって休憩等の申出は可能ですし、休憩の際に室外に出て外部に連絡することは可能です。

事情聴取(取調べ)での警察・検察の態度は?

取調べにおける捜査官の態度は事案や担当者によって様々です。もちろん、被害者や目撃者等の場合は丁寧な対応がなされるはずですが、被疑者として取調べを受ける際には高圧的な態度で追及を受けるという可能性もあります。また反対に妙に優しく接してくるという場合にも注意が必要なことがあります。

事情聴取についてご相談がある方は上原総合法律事務所へ

上原総合法律事務所は、元検事8名を中心とする弁護士集団で、迅速にご相談に乗れる体制を整えています。

所属弁護士全員が刑事事件について熟知しており、取調べ(事情聴取)を受けることとなった際の注意点や対応方法につき的確かつ詳細なアドバイスができ、それに限らない効果的な弁護活動を行っていきます。

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弁護士 上原 幹男

弁護士 上原 幹男

第二東京弁護士会所属

この記事の監修者:弁護士 上原 幹男

司法修習後、検事任官(東京地方検察庁、奈良地方検察庁等)。検事退官後、都内法律事務所にて弁護士としての経験を経て、個人事務所を開設。 2021年に弁護士法人化し、現在、新宿事務所の他横浜・立川にも展開している。元検事(ヤメ検)の経験を活かした弁護活動をおこなっている。

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