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名誉棄損

名誉棄損とは、人の名誉、つまり、人の価値に対する社会一般の評価を傷つける行為を行うことをいいます。

近年では、ブログやSNSなどの書き込みで他人を誹謗中傷するなど、インターネット上に気軽に書き込んだ誹謗中傷が名誉棄損として処罰されることが発生しています。

名誉棄損の条文に「公然と事実を摘示し、人の名誉を棄損したものは、その事実の有無にかかわらず」との記載があるとおり、その内容が真実でなかったとしても罰せられることとなります。

名誉棄損罪に対する検察官の処分と裁判官の量刑

名誉棄損罪の法定刑は、「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」です。

名誉棄損罪に対する処分(起訴するのか不起訴にするのか)や量刑(どのような刑罰にするのか)は、名誉棄損の内容がどのようなものなのか、被害者と示談ができているのかによって変わります。

名誉棄損罪は、被害者の名誉を守るためのものです。そのため、被害者からの告訴がない又は取り下げられた場合は不起訴となりますし、告訴が維持されたまま起訴された場合でも、被害感情、被害者に対して謝罪を行ったことなどの情状事情がある場合は、罰金刑となることが多くあります。

名誉棄損で逮捕されてしまったら(身柄解放のために)

名誉棄損で逮捕されることは多くはありませんが、仮に逮捕されてしまった場合、被害者と示談を行ったり、謝罪の気持ちを伝えたりすることによって、被害届や告訴を取り下げてもらうことが何よりも重要です。

以下「不起訴などのより軽い処分のために」で述べるとおり、名誉棄損は親告罪であるため、検察官は、被害者の告訴がなければ刑事裁判を起こすことができません。刑事裁判を起こすことができないのであれば、身体拘束を続ける理由がなくなるため、身柄が解放されます。身柄解放のためには、示談を成立させるためにできるだけ早く手を打つ必要があります。

被害者との示談交渉については、弁護士を介して行った方がスムーズですし、示談が成立しやすいです。というのは、被害者との示談交渉は、捜査機関に被害者側の氏名や連絡先をお聞きすることから始まりますが、連絡先を「弁護士限り(被疑者やその家族に伝えない)」という約束のもとで弁護士に教えてくれることが多いのです。また、当事者同士が直接やり取りをすることによって被害感情が増大することもあります。このような事態を避けるためにも、第三者である弁護士を介して示談交渉を行うことをおすすめします。

※示談については、詳しくはこちらをご覧ください。

不起訴などのより軽い処分のために

名誉棄損は「親告罪」と言って、被害者からの告訴がないと刑事裁判を起こすことができません。告訴は、犯人を知った日から6か月以内に行わなければいけませんが、被害者からの告訴がない又は告訴が取り下げられれば不起訴処分となります。

そのため、被害者と示談を行ったり、謝罪や発言の撤回・投稿の削除等を行うことによって告訴をしない又は取り下げてもらうことで不起訴処分を獲得することができます。

仮に示談等が不成立となって告訴が取り下げられなかった場合、事案によって、不起訴処分となる場合とならない場合があります。不起訴処分とならなかった場合は、罰金刑を目指します。名誉棄損は、起訴されたとしても、前科がない、示談はできなかったが被害者に対して謝罪の気持ちや示談を行う気持ちがあった、反省をしているなどの情状がある場合、罰金刑になることがほとんどです。

なお、告訴をした被害者は、被疑者がどのような処分になったのかという通知を検察庁から受け取ることとなります。事案によっては、示談不成立やそもそも示談交渉がない状態であるが、被害者が告訴を取下げなかったものの不起訴処分となる場合があります。このような場合、被害者としては、被疑者に名誉を棄損されているという被害感情が大きく残っているため、不起訴処分に不服を感じ、被害者から検察審査会に審査を申し立てられる可能性があります。

※検察審査会については、詳しくはこちらをご覧ください

上記のとおり、不起訴、罰金刑、検察審査会申立て回避のいずれの対応でも、被害者に対して真摯に謝罪の意思を伝えたり、発言や書き込みを撤回・削除したり、被害感情を和らげることが大切です。

SNSなどインターネット上に誹謗中傷の書き込みをしてしまったが、名誉棄損に当たるかもしれないと不安を抱えて日々を過ごしていらっしゃる方もいるかと思います。このような方について、弊所においては、法律相談を通して詳細を伺った上で、依頼者と一緒に捜査機関へ自首する業務を行っています。適切な方法により証拠を整えて自首することにより、逮捕を免れたり起訴されずに済むことがあります。

※自首については、詳しくはこちらをご覧ください

示談金の相場

被害者の被害感情・処罰感情や、名誉棄損の内容、誹謗中傷が広がってしまった範囲にもよりますが、被害者は精神的苦痛や社会的な損害を受けて告訴や被害申告をしているため、その示談金や慰謝料は多額にのぼることが想定されます。

なお、被害者によっては、インターネットの書き込みなど誹謗中傷の投稿を削除することで告訴を取り下げてくれることもあります。

量刑の相場

名誉棄損は親告罪であり、被害者の告訴がないと刑事裁判を起こすことができません。

そのため、告訴がない(告訴期間が過ぎている)又は告訴を取り下げた場合は、必ず不起訴処分となります。

また、告訴が維持されたまま起訴された場合でも、示談はできなかったけれども被害者に対して謝罪を行ったこと、反省をしていること、前科がないことなどの情状がある場合は、罰金刑になることが多くあります。

懲役刑が言い渡された例としては、前科があり執行猶予期間中であったこと、反省の意思や被害者に対する謝罪の意思がないこと、名誉棄損をしたこと自体を悪いと思っていないことなど、悪情状が多くある場合がほとんどです。

ご相談は上原総合法律事務所へ

当事務所では、元検事の経験を活かし、依頼者の行った書き込みや発言が名誉棄損に当たるかどうか、告訴されてしまったらどうしたらいいのか、起訴された場合はどのように裁判が進んでいくのかなど様々なご説明を行わせていただきます。また、それぞれの事案に即し、自首、示談交渉、早期の身柄解放などの弁護士活動に加え、刑事事件に伴う困りごとへのアドバイスも行います。

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