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少年の暴行・傷害事件について元検事の弁護士が解説

少年の暴行・傷害事件の特徴

人に暴力を振るうと暴行罪が、人に怪我をさせると傷害罪となります。

少年事件では、集団同士の喧嘩や、女性をめぐるトラブルに端を発した喧嘩などの事案が目立ちます。
このような事案に特徴的なのは、現場にたくさんの人がいるということです。
また、喧嘩の場合、現場にいる人が興奮していることが多く、その場の状況を正確に見聞きしていなかったり、正確に記憶していなかったりするという特徴もあります。

このような特徴から、少年の暴行・傷害事件においては、現場にいた人同士の話が食い違い、真実がどこにあるのかわかりづらいという事態が発生しがちです。
また、少年は、成人に比べても特に、友人に不利になるような供述をすることを避けたがる傾向があります。喧嘩の事案では特にその傾向は高くなるように思われます。

なお、少年事件においては男女問わず「少年」と呼びますので、この記事でも未成年の人を男女問わず「少年」と呼びます。

暴行・傷害で身柄拘束されている少年を解放するために

少年が暴行・傷害事件で身柄拘束されるのは、集団同士の喧嘩(共犯事件)であったり、容疑を否認している事件であることが多いです。また、被害結果(怪我の程度)が大きい場合も身柄拘束される可能性が上がります。
このような事件で身柄拘束がされるのは、証拠隠滅のおそれや逃亡のおそれがあると判断されるためです。

少年が逮捕された場合、弁護士は、検察官や裁判官に「身柄拘束は必要ない」という意見を言います。この時に、ただ「身柄拘束は必要ない」というだけではなく、身柄拘束が必要ない理由や身柄拘束をしない方が良い理由を証拠とともに丁寧に説明します。

少年が実際に犯行を行っている場合、事実を丁寧に認めて反省を示し、証拠隠滅をしないことを理解してもらう必要があります。
具体的な方法としては、弁護士が少年とよく話をし、少年から真実を聞き出して一緒に上申書を作るとともに、証拠と合わせて提出する方法が有効です。
また、特に集団での喧嘩などの共犯事件では、当事者同士が口裏合わせをできないようにするために事件に関係のあった人物と接触できない環境を整えることも有益です。
たとえば、事件が終結するまで、それまでとは違った場所で生活するということもありえます。

また、少年事件においては、少年が事件に巻き込まれてしまい、その場にいただけであるなど、実質的に悪いことをしていないという場合も多々あります。このような場合には、そのような状況を示す証拠を弁護士が収集し、提出することで、少年が悪くないことを理解してもらって身柄拘束を解いてもらうということも大切です。

事件に巻き込まれた場合について詳しくはこちらをご覧下さい 

加えて、少年の場合、身柄拘束が解かれた際の環境調整が特に重要です。
裁判官や検察官は、少年の家庭や職場環境が少年に大きく影響を与えることをとてもよく理解しています。
少年が釈放された後に信頼できる大人が少年を支えられるという的確な情報が伝わることで、裁判官や検察官は少年を釈放しやすくなります。

処分を軽くするために

一般に、刑事事件においては、被害者に被害弁償をしたり反省を示したりするということが処分を軽くするために大切です。

ですが、少年事件はそれだけでは足りません。

少年事件においては、少年の更生のための環境がしっかり整っている事が大切です。
少年に対し、暴力で物事を解決するのではなく、別の方法での解決を探ったり、自分の気持ちをコントロールする方法を教えることができる信頼できる大人が必要です。
少年にこのようなサポートをするのは大変なことですし、根気と能力が必要になります。
少年の家庭や職場環境にこのようなことができる大人がいることを示し、少年には更生のための環境が整っていることを裁判官や検察官に伝えていく必要があります。

また、少年自身の成長も大切です。
犯罪を犯してしまう少年は、他人の心境を理解したり、自分の行ったことの結果がどのようにつながっていくのかを想像する能力が低かったりします。
そして、少年自身は自分のこのような能力が低いことを認識していません。
ですが、周囲の大人が適切にこのことに気がついてあげることができれば、多くの少年は能力を伸ばしていくことができます。
そして、能力が変化したことを裁判官や検察官に伝えることができれば、ポジティブに受け止めてもらえるはずです。
検察官や裁判官は少年の可塑性(少年が変化して成長しやすいこと)をよく理解しているため、少年の良い変化を伝える事は少年がどのような処分を受けるかに影響を与えると考えています。

少年の可塑性や保護者にできることについてはこちらをご覧ください。

少年が暴行・傷害をしていない場合

少年が暴行・傷害をしていない場合には、やってもいない犯罪で不利益な処分を受けないために、暴行・傷害をしてないことを正確に裁判官や検察官に伝えていく必要があります。
特に、少年は大人に比べて未熟ですので、捜査機関の取調べにおいて不正確な答えをしたり、友人をかばって嘘をついたりしてしまいます。
このような未熟さの結果、実際にはやっていない犯罪をしたかのように見えてしまうことがあります。

このようなことを避けるためには、刑事事件に精通した弁護士が少年から丁寧に真実を聞き出し、裁判官や検察官に伝えるとともに、真実を裏付ける証拠を収集する必要があります。
実際には犯罪をしていないのだから正直に話していればそれで冤罪は晴れる、とは言い切れません。
やってもいない犯罪を疑われている少年の保護者の方は、刑事事件に精通した弁護士に速やかに相談してください。

ご相談はお気軽に

少年事件が発生した際に少年がどのような大人に支えられるかは、少年の将来に大きく影響を与えます。
少年事件によるダメージを軽減するとともに、少年事件の経験を将来に生かせるようにするためには、信頼できる大人と、刑事事件に精通した弁護士のサポートが有益であると考えます。

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